ブラジル政府、イランのデモにおける死者に哀悼の意。同国の主権尊重を表明
2026年 01月 14日

ブラジル政府は1月13日(火)、イランで続く抗議行動について「懸念をもって注視している」とする公式声明を発表した。
抗議デモは、同国の生活費高騰を受けて12月28日に始まった。その後、デモ参加者の矛先は、1979年のイスラム革命以来イランを統治してきた聖職者指導部へと向けられた。イランの通貨リアルは2025年に対ドルで価値のほぼ半分を失い、12月のインフレ率は42.5%に達した。米国の制裁やイスラエルによる攻撃の脅威に直面する中、同国経済は深刻な圧力にさらされている。
抗議行動が国全土に広がる中、治安当局が市民に対し強硬な武力行使に踏み切っている。非政府組織によれば、これまで(注:ブラジリア時間1月13日 17:30)に少なくとも600人の死亡が確認されている。
ブラジル外務省は声明で、犠牲者に哀悼の意を示すとともに、イラン国民が自らの国の進路を決める主権を尊重する姿勢を強調した。
「自国の将来について主権的に決定するのはイラン国民のみであることを強調しつつ、ブラジルはすべての関係者に対し、平和的で実質的かつ建設的な対話に臨むよう促す」と声明は述べている。
ブラジル政府によると、現時点で死亡者や負傷者の中にブラジル人が確認されたとの報告はないという。テヘランのブラジル大使館は、在留ブラジル人コミュニティへの対応にあたっている。
イランで続く抗議デモをめぐり、同国当局は、米国とイスラエルが抗議活動を扇動していると非難し、米軍基地への攻撃も辞さない構えを示している。
イランのマスード・ペゼシキアン大統領は、平和的な抗議活動は国内で容認されているとしつつ、最近の騒乱については「外国から送り込まれたテロリスト」によるものだと主張。米国とイスラエルによる侵攻を正当化するためのものだと主張した。
ドナルド・トランプ米大統領は、イランへの軍事介入を示唆する発言を繰り返している。12日(月)には、「イラン・イスラム共和国と取引を行うすべての国」に対し、25%の関税を課す方針を明らかにした。
この措置が実際に発動されれば、ブラジルにも影響が及ぶ可能性がある。とりわけ、テヘランとの関係で恩恵を受けてきた農産物輸出への打撃が懸念され、ブラジル国内では警戒感が高まっている。連邦政府は、米国の大統領令が正式に公布されるのを待って対応を決める方針だ。
ブラジルは2025年、イランとの貿易額が約30億ドルに達したが、同国はブラジルの輸出全体の0.84%にとどまっている。
(記事提供/Agência Brasil、構成/麻生雅人)




