火災による転院後、サンパウロ州がん研究所の患者が死亡

2026年 02月 1日

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1月30日(金)、サンパウロ市。サンパウロ州がん研究所(Icesp)で火災が発生したため、患者8名が心臓研究所(InCor、写真)と中央研究所(ICHC)に避難のため搬送された(写真/Paulo Pinto/Agência Brasil)

1月30日(金)の午後、サンパウロ市西部ジャルジン・パウリスタ地区のクリニカス病院群内にあるサンパウロ州がん研究所(Icesp)で火災が発生した。煙は周辺区域に広がり、InCor や保健局の建物にも達したため患者の転院が必要となり、そのうち1名が移送中に死亡した。31日付で現地メディア「G1」、「アジェンシア・ブラジル」などが伝えている。

サンパウロ大学医学部付属クリニカス病院(HCFMUSP)は1月31日(土)、サンパウロ州がん研究所(Icesp)の集中治療室(ICU)から、火災のため転院した患者が死亡したと発表した。氏名は公表されていない。

同院は声明で、「Icespで、電力会社エネウによる停電が発生したため、ICUに入院し人工呼吸器を必要とする患者の転院手順を開始したが、不幸にも、この移送作業中、極めて重篤な状態にあった患者が容体の不安定化を示し、担当チームが直ちに処置を行い一時的に回復したものの、その後死亡した」と説明した。

病院によると、Icespからは計8人の患者が転院し、うち5人が心臓研究所(InCor)、3人が中央研究所(ICHC)に搬送された。初期対応や消火活動に直接関わった職員は、煙を吸った可能性があるとして検査を受けた。合計10人が医療処置を受け、7人は念のため経過観察となったが、いずれも31日(土)に退院した。

HCFMUSPは、「今回の事案に関する全ての状況を調査しており、患者・付き添い家族・職員の安全確保を継続的に強化するため、直ちに安全および医療支援に関する手順の見直し・強化を指示した」と述べた。

Icespは31日(土)、全ての診療部門が通常通り稼働している。

電力会社エネウはアジェンシア・ブラジルに対し、地域で緊急作業を行っていたため病院の電源を遮断する必要があったと説明し、その後、供給は復旧したと明らかにした。同社はまた、火災が発生したのは病院所有の発電機であると改めて強調した。

火災は30日(金)の午後、Icesp のボイラーおよび発電機が設置された技術区域で発生した。州保健局によると、発生した煙は周辺に広がり、心臓研究所(InCor)や保健局の入る建物にも達した。

消防は午後2時ごろ、18台の車両を現場に派遣した。消防によると、Icesp に電力を供給する発電機が故障して発火したことが火災の原因とみられるという。午後5時20分ごろ、消防は火勢が制圧されたと発表した。

電力会社エネウ(Enel)は声明で、火災は病院所有の発電機で発生したものであり、同社が地域で緊急作業を行っていたため電力網を一時的に停止する必要があったと説明した。また、病院に対し発電機2台と支援チームを提供したと明らかにした。

ピニェイロス地区を管轄する第14警察署は、火災原因を調べるため捜査を開始した。犯罪鑑識研究所の鑑識官が現場を調査し、出火原因や責任の所在を分析する。

2023年にも、InCor の冷却ボイラーで火災が発生しており、当時も煙の臭いのため近くの病室の患者が移動を余儀なくされていた。

(文/麻生雅人)