【ブラジル】警察が、コミュニティ犬オレーリャ暴行に関与した少年のパスポート押収を要請
2026年 02月 8日

サンタカタリーナ州文民警察は、フロリアノーポリスのブラーヴァ・ビーチで犬の「オレーリャ」を残虐な暴行により死に至らしめたとして関与が疑われている少年のパスポートの押収を司法当局に求めた。連邦警察にも要請内容が通知されており、少年が国外へ出国するのを防ぐことが目的とされる。
民警は声明で、州検察庁(MP)がこの要請に賛同の意向を示したと明らかにした。
「当機関は、犬オレーリャの死亡事件に関する捜査で既に得られた証拠とともに、関係者の訴追が司法に進むよう、継続的に取り組んでいる」(サンタカタリーナ州民警)
<オレーリャ事件:これまでに判明していること>
サンタカタリーナ州沿岸のブラーヴァ・ビーチで起きた「オレーリャ」に対する残酷な暴行は、全国的な衝撃を呼んだ。地域住民に世話されていた「コミュニティ犬」だったオレ-リャは、1月4日、4人の少年に襲われた。オレーリャは救助されて動物病院に運ばれたものの、負傷が深刻で、翌5日に安楽死の措置が取られた。
コミュニティ犬/コミュニティ猫とは、特定の飼い主を持たないものの、一定の地域(通り、地区、集合住宅など)で暮らし、住民や商店主らと情緒的なつながりを築き、日常的に世話を受けている動物を指す。地域住民によって食事や寝場所が提供され、場合によってはワクチン接種や不妊手術も行われる。
事件に関して1月を通じてさまざまな動きがあり、民警による捜査も進展している。
サンタカタリーナ州ではこの問題をめぐる社会的な反響を受け、1月22日、コミュニティ犬/コミュニティ猫の保護と認定に関する州政策を定める法律19.726号が可決された。州政府によると、この法律は地域社会と公的機関が、地域で世話されている動物の保護に責任を負うことを明確にするものだという。
新法は、正当な専門的理由がなく、かつ登録された世話人への通知なしに、コミュニティ動物を移動させたり、行動を制限したり、別の場所へ移送したりすることを禁じている。また、虐待、強制的な放棄、動物の安全を脅かす行為に関する詳細な規定も盛り込まれている。
事件の大きな反響を受け、サンタカタリーナ州民警は捜査を開始した。
警察は氏名を公表していないが、少年らの親族の中には、企業経営者2人と弁護士1人が含まれていると説明している。民警によると、事件に関与した少年らの家族が、捜査中に証人を脅した疑いで1月27日(火)に取り調べを受け、訴追された。その前日には、少年と関係する成人の自宅に対して家宅捜索と押収が実施された。少年本人たちはまだ聴取されていない。
警察の情報によると、14台のカメラで記録された 1,000時間以上の映像が分析され、さらに24人の証人が事情聴取を受けた。分析された映像には、動物が襲われた瞬間そのものは映っていなかったものの、捜査にとって極めて重要な手がかりとなった。映像を通じて、捜査員は事件当日に少年が着ていた衣服を特定し、さらに少年が深夜に自宅のある集合住宅を出ていた事実を確認することができた。
警察は、オレーリャへの暴行が行われた時間帯に少年がどこにいたのかを確認するため、フランス製のソフトウェアも使用した。このプログラムは携帯電話の位置情報を特定できるもので、防犯カメラの映像と組み合わせることで、少年が1月4日の午前5時25分に自宅のある集合住宅を出てブラーヴァ・ビーチへ向かったこと、そして午前5時58分に若い女性とともに同じ場所へ戻ってきたことが確認された。
さらに、イスラエル製の 携帯電話の削除データ復元ソフト も捜査に用いられた。
この前週に行われた少年の供述も、事件解明の鍵となった。少年は「その日の未明に自宅を出ていない」と証言したが、警察はすでにそれを否定する証拠を押さえていた。集合住宅の出入り管理システムの映像、少年が着ていたパーカーや帽子の映像、そして「少年が外出していた」と証言する複数の目撃者の証言が揃っていたためである。
当局はまた、少年らが別の犬「カラメロ」に対しても暴行を加えた疑いについて捜査を進めている。カラメロはグループの暴行行為から逃げ延びた。
犬への暴行が明らかになった数日後、少年は米国へ渡航し、アメリカ合衆国のディズニー・リゾートを訪れていた。1月29日にブラジルへ帰国した際には、すでに警察が空港で待ち構えていた。
サンタカタリーナ州に到着した際、少年の親族が帽子を隠そうとし、さらに荷物に入っていたパーカーについて「アメリカで購入したものだ」と主張した。しかし、それらは当局がすでに把握していた通り、オレーリャが襲われた当日に少年が着用していたものと同じだった。
こうした証拠が揃ったことから、サンタカタリーナ州民警は2月3日(火)、犬オレーリャを死に至らしめた暴行事件に関する捜査を終了し、関与が疑われる4人の少年のうち1人について、施設送致を求める判断を示した。
<警察と検察の意見の相違>
オレーリャ事件をめぐる捜査では、民警と検察との間で見解の相違が生じている。2月6日(金)、検察は、オレーリャの死亡を起点とした捜査について、今後数日のうちに民警へ追加の捜査手続きを要請する方針を明らかにした。
検察によると、首都フロリアノーポリスの第10検察局(児童・青少年担当)と第2検察局(刑事担当)の双方が、事実関係のさらなる精査と、出来事の再構築におけるより高い精度が必要だと判断したという。
検察は、次のような“空白”が確認されたとしている。
「動物虐待に類似する犯罪相当行為に少年らが関与した可能性について、捜査を補完する必要がある」
一方、民警は、オレーリャの死亡に関与したとされる少年について、少年保護施設への施設送致を求める法的根拠は十分にあるとの立場を示している。
サンパウロ州弁護士会(OAB)動物の権利保護委員会の委員長を務めるヴィヴィアーニ・カブラウ弁護士によると、動物虐待は環境犯罪法(法9605号/1998年)第32条に規定されており、さらに近年の「サンサォン法」(法14.064/2020年)による改正により、犬や猫に対する犯罪には2〜5年の禁錮刑が科される。
「しかし今回のケースでは、加害者が未成年であるため、児童・青少年法(ECA)に基づく社会教育措置が適用されることになります」とカブラウ氏はアジェンシア・ブラジルに語った。
18歳未満は法律上「刑事責任能力がない」とされるため、犯罪として規定された行為を行った場合でも、適用されるのは「犯罪」ではなく、犯罪に類似した「犯罪相当行為」として扱われる。
同氏によると、環境犯罪法では動物に対する行為を「虐待」「乱用」「負傷」「切断(四肢の切除など)」の4つに分類している。動物が死亡した場合は刑罰が加重され、オレーリャのケースはこれに該当する。また、犯罪の態様や反復性も量刑に影響を与える可能性があるという。
ECA(児童・青少年法)で定められている社会教育措置には、次のようなものがある。
- 警告:裁判官による口頭での戒告
- 損害賠償義務:被害者への補償、返還、または損害の埋め合わせ
- 社会奉仕活動:公共機関やNGOでの無償作業。最長6か月、週8時間以内
- 保護観察:家庭や学校での支援を目的に、指導員による最低6か月の継続的な見守り
- 準自由処分:部分的な自由の制限。外部での学業・就労は認められるが、夜間は施設に戻る
- 収容:施設での自由の完全な制限。期間は不定だが6か月ごとに見直され、最長3年。暴力行為、反復した非行、他の措置の不履行など、重大なケースに限って適用される
ヴィヴィアーニ・カブラル弁護士はこの中で「収容」(施設送致)に関して次のように指摘する。
「施設送致は、重大な脅迫や対人暴力を伴う犯罪の場合にのみ適用されます。ただし、今回のように人間以外の生き物に対して極めて残虐な行為が行われた場合にも施設送致を認めるよう、法律は見直されるべきです。社会の意識の変化に合わせて法制度も進化する必要があります」
(記事提供/Agência Brasil(1月28日、1月29日、2月7日)、構成/麻生雅人)




