アマゾニア・バーリ動植物公園で誕生したジャガーに「シングー」と命名
2026年 04月 5日

シングーは、パラー州パラウアペーバス市のカラジャス山地にあるアマゾニア・バーリ・バイオパーク(環境保全型動植物公園)の新しい仲間だ。両親のマリリアとゼゼーの間に昨年12月27日に生まれ、ルアナとフダーの兄弟にあたる。
シングーはオスの子ジャガーで、先週行われた一般投票により、アマゾン川の重要な支流のひとつにちなんだ先住民由来の名前が選ばれた。シングー川はマトグロッソ州に源を発し、パラー州でアマゾン川に合流するまでアマゾニアとセラードの両生態系を流れ、数百の先住民族や伝統的コミュニティの暮らしを支えている。
「今回、川の名前を候補にしたのは、母親のマリリアのこれまでの子どもたちが先住民の名前だったからです。今回はアマゾンの河川──シングー、タパジョス、ソリモンイス──を候補に挙げ、一般投票にかけました。マリリアには以前、フダーとルアナがいましたが、2頭ともサンパウロ州内の別の動物園に移っています」と、動植物公園の事務分析官レジャニア・アゼヴェード氏は話した。
両親のジャガーはゴイアス州からバーリ・バイオパークに移送された。母親のマリリアは違法飼育から救出されたジャガーで、父親のゼゼーはゴイアス州内の施設で生まれた。ゼゼーの両親もまた、違法飼育下から保護された野生動物だ。いずれも自然の生息地から引き離され、人間の管理下で育った経緯があるため、野生で生きるために必要な能力を失っており、自然界に再導入することはできない。
「私たちは自然から動物を捕獲することはありません。環境当局を通じて、違法飼育や押収案件から動物がやって来ます。元気な状態で来る個体もいますが、負傷していたり、四肢を失っていたりするケースもあります。そうした動物に対して、私たちは継続的なケアと治療を行っています」(レジャニア分析官)
シングーは、同園で過去12年間に誕生した7例目のジャガーの繁殖個体となる。ジャガーの飼育下繁殖は、ブラジルの象徴的な野生動物であり、絶滅の危機にあるオンサ・ピンターダ(ジャガー)の保全に向けた全国的な取り組みの一環だ。
「シングーも飼育下で生まれたため、自然に戻すことはできません。今後はこのまま園内で暮らすか、別の動物園に移されることになります」(レジャニア分析官)
インターネット上ではすでに人気者となっているものの、シングーはまだ来園者に公開されていない。
「現在、生後3カ月で、母親のもとで飼育管理エリアにいます。まだ赤ちゃんですので、一般公開エリアには出られません。生後5~6カ月になる頃、母親が展示エリアに出るための行動を教えるようになります」(レジャニア分析官)
成獣になると、アメリカ大陸最大のネコ科動物であるジャガーは、体長1.90メートル、高さ80センチ、体重135キロに達することがある。
カラジャス国立森林内に位置するアマゾニア・バーリ・バイオパークは、創設から41年を迎え、ヴァーリ社によって運営されている。敷地面積は30ヘクタールで、その約7割が原生林だ。
同園はブラジル動物園・水族館協会(AZAB)に加盟し、シコ・メンデス生物多様性保全研究所(ICMBio)が策定する絶滅危惧種保全の国家計画に沿って活動しているほか、生物多様性保全に関する国内外の目標にも取り組んでいる。
現在、園内には70種360匹の動物が暮らしており、その中には、困難な経緯を経て同園にたどり着き、種としての行動を再び学び直したことで知られるクモザルの「シコー」も含まれる。
「シコーには悲しい過去がありますが、最終的には幸せな結末を迎えました。彼女はマットグロッソ州から環境当局によって救出されました。マットグロッソでは18年間も鎖につながれ、バーで飼われていたのです。店主は客に見せるために彼女にカシャッサ(ブラジルの蒸留酒)を飲ませていました」(レジャニア分析官)
シコーは虐待の通報を受けて警察が介入し、環境当局によって保護された後、飼育下で生きてきたため野生復帰が不可能と判断され、同園に引き渡された。
「ここに来たとき、彼女は非常に衰弱していました。まずは検疫エリアに移し、専門チームがリハビリを行いました。彼女には本来のサルとしての習性がまったくなかったのです。尻尾も使えず、私たちが“第五の手”と呼ぶ、木にぶら下がるための動作もできませんでした」(レジャニア分析官)
集中的なケアの結果、シコーは再び同種の仲間と交流できるようになった。
「今では群れに完全に溶け込み、正常な霊長類としての行動を身につけています。彼女は“霊長類として生きること”を一から学び直したのです」(レジャニア分析官)
クモザルは、ホワイトフロント・スパイダー・モンキー、コアター、クアンバ(パラー州)、グアター(マットグロッソ州)などの名でも知られ、ICMBio が指定する絶滅危惧種リストにも掲載されている。
昨年だけで、バイオパークには20万人以上の来園者が訪れた。園内ではジャガーやサルのほか、アマゾンの植物も観察できる。1991年、当時のチャールズ皇太子(現チャールズ国王)とダイアナ元妃がブラジルを訪問した際に植樹したブラジルナッツの木もその一つだ。
アマゾニア・バーリ・バイオパークの入園料は無料で、開園日は火曜日から日曜日となっている。
(記事提供/Agência Brasil、構成/麻生雅人)




