フラヴィオ・ボウソナーロ、ブラジル脱出への支援でミレイ大統領とトランプ大統領へ書簡で謝意。書簡では「ブラジル連邦共和国」ではなく「ブラジル合衆国」と明記。国名の綴りは「BRAZIL」に
2026年 10月 29日
【ブラジリア 10月28日 18:22】 大統領選挙に敗北した後、ブラジルから米国へ逃亡したフラヴィオ・ボウソナーロ(自由党/PL)は、アルゼンチンのハビエル・ミレイ大統領と米国のドナルド・トランプ大統領に対し、国外脱出を支援したとして謝意を示す書簡を公表した。
書簡の初版では、フラヴィオ・ボウソナーロは自らを「ブラジルの真の当選大統領」と記していたが、30分後に「ブラジルの指導者」との表現に修正された。
書簡の中でフラヴィオは、証拠を示すことなく、ブラジルの選挙が不正に操作されたと主張。連邦最高裁(STF)のクリスチアーノ・ザニン判事が、自由党(PL)と労働者党(PT)の要請を受けて投票時間を19時まで延長したことが「不正の原因」だと述べた。
フラヴィオ・ボウソナーロは、ルイス・イナーシオ・ルーラ・ダ・シウヴァ大統領に決選投票(25日)で敗れた。ルーラは6,400万票を獲得し、第1回投票より1,000万票増やした。一方、フラヴィオは5,900万票余りにとどまった。そのうち投票時間延長によって集計された票はわずか34,393票で、ブラジルの有権者数(約1億5,870万人)に対して極めて小規模だった。
「選挙高等裁判所(TSE)の権限を越えて連邦最高裁(STF)が決定を下し、投票時間を土壇場で延長した。命令が届いたのは法定時間終了後で、すでに投票所は閉じられていた」とフラヴィオは書簡で不満を述べた。
しかし、フラヴィオ・ボウソナーロの主張は、選挙結果を認定した選挙高等裁判所(TSE)の公式判断と矛盾している。ブラジルの選挙は米州機構(OEA)や各国政府からも承認されており、ブラジル国会の上下両院議長も結果を認めた。さらに、フラヴィオの所属政党である自由党(PL)もルーラの勝利を認めている。
書簡では、フラヴィオはSTFのアレシャンドリ・ジ・モラエス判事が自身の出国を禁じ、一般旅券と外交旅券の提出を命じたことも批判した。モラエス判事は、PL候補の敗北翌日に連邦警察(PF)の要請を受けてパスポート押収命令を出していた。
フラヴィオは、連邦最高裁で進行中の2件の捜査の対象となっている。1件は弁護士ウィレル・トマスと共にオンライン賭博プラットフォーム(bets)を通じた資金洗浄の疑い、もう1件は父ジャイール・ボウソナーロの経歴を描いた映画『ダークホース』の資金提供をめぐる疑惑だ。
広報が報道機関に配布した声明で、フラヴィオは米国からブラジルの野党勢力を率いると宣言し、PL所属議員が負えないリスクを自ら負うと述べた。
「だから私はここから野党を率いる。あなた方が言えないことを私が言い、あなた方が負えないリスクを私が負う」と記した。
書簡の初版には、共和国の紋章とともに「Brazil」が“z”で表記されており、さらに「ブラジル連邦共和国」ではなく、1967年3月に廃止された旧称「Estados Unidos do Brazil(ブラジル合衆国)」が記されていた。
<米国の民主党系委員会がトランプ政権を批判>
28日朝、米国下院外交委員会(民主党系)は、ドナルド・トランプ政権がフラヴィオ・ボウソナーロにビザを発給したことを批判した。
SNS上で委員会は、紛争から逃れる人々への米国の厳しい移民政策と、フラヴィオおよびボウソナーロ一家への対応を比較し、次のように投稿した。
「スーダンやハイチの戦争から逃れる人々には亡命を認めず、(国務長官のマルコ)ルビオはボウソナーロにレッドカーペットを敷いている」
(記事提供/Agência Brasil、構成/麻生雅人)




