W杯2014、日本が初戦を戦うヘシーフィ(レシフェ)とは

2013年 12月 6日

フレーヴォ

FIFAワールドカップ2014、ブラジル大会で6月14日(日本時間では15日)、日本はコートジボワールとヘシーフィ(レシフェ)で対戦する。

Recife ヘシーフィ(レシフェ)はブラジル北東部ペルナンブッコ州の州都。大西洋に面した海岸線沿いにある港湾都市で、全長7キロあるボア・ビアージェン海岸は、ホテルやレストランが整うビーチリゾートとなっている。

1年を通じて高温多湿の気候だが、風が吹いているときは蒸し暑さはさほど感じないで済む。

街の名前のRecife ヘシーフィとは、もともとは、海岸近くの岩礁を指す言葉。ボア・ビアージェン海岸には堤防のように岩礁が並んでいて、岩礁の内側は海水浴客でにぎわう。

ユネスコの世界遺産に登録されているブラジル大西洋諸島、フェルナンド・ジ・ノローニャへも、ヘシーフィから渡る。岩石で形成された小さな島々には、ブラジルでも屈指といわれる美しい海岸がある。最も有名なのがフェルナンド・ジ・ノローニャ島。そのフェルナンド・ジ・ノローニャ島から150km西に位置するホカス(ロカス)環礁は島の上に「藻」が石灰岩を作って出来た島なのだという。

ブラジルの中でもペルナンブッコ州は、16~17世紀からサトウキビ産業で栄えた歴史の古い土地。同時に奴隷貿易で栄えた土地でもある。ヘシーフィ(レシフェ)の隣のオリンダは、植民地時代のコロニアル建物や教会が並び、世界遺産に登録されていることでも知られる。

また、港街ゆえに古くから世界各国の文化と接してきたこともあり、比較的グローバルな意識を持つ人も多く、国内にとどまらず世界各地で活躍する音楽家も少なくない。17世紀には約24年に渡ってオランダに占拠されていたこともあるため、ポルトガルだけでなくオランダ文化の痕跡も少なくない。歴史を感じさせる古い町並みと、川が多い様子から、ブラジルのベニスと表現されることもある。

長い歴史の中でさまざまな人種が交錯したこともあり、カーニバル時期をはじめお祭りなどで披露される、ダンスや音楽…フレーヴォ(写真)やマラカトゥなど、音楽や大衆芸能ではこの土地特有の文化が育まれている。代表的な芸能のひとつフレーヴォは2007年に100周年を迎えて、その歴史が讃えられた。フレーヴォのアクロバティックなダンスはカポエイラから影響を受けていると言われている。

ヘシーフィのカーニバルは、リオデジャネイロのサンバカーニバル、サルヴァドールのトリオエレトリコのカーニバルとならび、3大カーニバルのひとつに数えられているほど賑わう。ガロ・ダ・マドゥルガーダ(夜明けの雄鶏)と呼ばれるカーニバル集団は“世界最大のカーニバル集団”としてギネスブックにも載った。

(文/麻生雅人、写真/LatinContent/Getty Images)
写真は2013年2月、カーニバル時期に披露されたフレーヴォのダンス。虹色の傘を手にアクロバティックなダンスが披露される。