ブラジルのコンピュータサイエンス学生が全国盗難検証マップを開発

2014年 04月 17日

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犯罪が最も多発しているのはサンパウロ市。

ブラジル中で起きた盗難犯罪のデータベース・サイト「オンヂ・フイ・ホウバード(どこで盗まれたか)」が、そんなデータをはじき出している。現地メディア「エスタダォン」(4月14日付け、電子版)が伝えている。

同サイトを開発、運営しているのはバイーア連邦大学(UFBA)のコンピュータサイエンスの学生Márcio Vicente マルシオ・ヴィセンチさんとFilipe Norton フィリッピ・ノートンさん。連日報道される強盗や窃盗の被害のニュースにうんざりしていた彼らは、大学で学んだ知識を実践するために、このサイトを開発した。

「オンヂ・フイ・ホウバード(どこで盗まれたか)」(http://www.ondefuiroubado.com.br/)がオープンしたのは2013年の6月。現在、サイトへのアクセス数は1日に2~3万人とのこと。

このサイトはグーグル・マップと連動していて、訴えが報告された時点で、事件が地図にマーキングされるという。実際に犯罪の被害にあった人が、被害に遭った場所、日にち、時間、何が盗まれたか、自身の性別をこのサイトに被害状況を報告することによって、全国の犯罪状況がデータベース化されていくというもの。報告は匿名で可能。犯罪の種類に関しては、7種類の選択肢の中から選ぶこともできる。

開設以来ブラジルにある399の都市から1万7000件の報告投稿があり、4月14日時点でのワーストは、サンパウロ市(2400件、被害金額は460万ヘアイス(レアル))。警察に届けが出されたのはこのうち58%。犯罪スタイルの上位は拳銃など武器による強盗、すり。場所ではコンソラサォン地区、ヴィラ・マリアーナ地区で事件が多く起きていた。

盗難多発のワースト都市は、以下、フォルタレーザ市(セアラー州)、ベロオリゾンチ市(ミナスジェライス州)、リオデジャネイロ市が続いた。

フォルタレーザ市の犯罪は日中が多く、件数は1900件。うち警察に被害届を出しているのは47%。ベロオリゾンチ市は犯罪件数は1790件だったが、被害金額は560万ヘアイス(レアル)と、サンパウロ市を上回った。警察への届け出は59%。

リオデジャネイロ市の盗難件数は1400件で、うち960件が携帯電話、スマートフォンの盗難だった。被害金額は220万ヘアイス(レアル)。届出があったのは46%。被害が多かったのは、旧市街区(セントロ)、バーハ・ダ・チジュッカ。

さて、実際にサイトを使って、ワールドカップブラジル大会で日本戦が開催される都市の犯罪件数を確認してみた。ヘシーフィ(レシフェ)に関してはアレーナ・ペルナンブッコがあるサンロウレンソ・ダ・マタとヘシーフィ(レシフェ)も比較してみた(4月17日現在)。

過去90日間の犯罪件数は、少ない順にサンロウレンソ・ダ・マタが1件、クイアバが8件、ヘシーフィ(レシフェ)が21件、ナタウ(ナタール)が48件となった。ナタウが最も多かったが、それでも48件。リオやサンパウロなどの大都市とは比べ物にならない数字だった。

ナタウ(ナタール)は48件のうち男女比は40%と60%、日中と夜間比は58%と42%。ヘシーフィ(レシフェ)は21件のうち男女比は29%と71%、日中と夜間比は48%と52%。クイアバは8件のうち男女比は38%と63%、日中と夜間比は63%と38%。サンロウレンソ・ダ・マタの1件は、2012年の事件で広場での夜間の強盗、被害者は女性だった。

開発者の一人マルシオ・ヴィセンチさんは、同サイトを今後、アンドロイド端末などでも見られるようにしたいと語っている。

(文/麻生雅人、写真/Getty Images)
写真は、日本の2戦目、対ギリシャ戦が行われるナタウ(ナタール)