ボルト、リオでファヴェーラの子どもたちと交流

2014年 09月 1日

ボルトと子どもたち

8月17日(日)、リオデジャネイロのレミ海岸で開催された100m走のエキシビジョンレース「マノ・ア・マノ(ハンド・トゥ・ハンド)」大会で、見事優勝を飾ったジャマイカ出身のボルト。

その前日の8月16日(土)、曇り空の下でほとんど人がいなかったレミ海岸では、ボルトがリオのファヴェーラの子どもたちに囲まれていた。現地メディア(「エスタダォン」同日づけ)が伝えている。

この日、ボルトは、大会のスポンサーが用意したイベントとして、リオ市西部にあるシャクリーニャというファヴェーラで支援活動を行うNGO団体「プロジェクト・ミラトゥス」が主催したファヴェーラの子どもたちとの交流会に参加した。

同団体はシャクリーニャの子どもたちにバドミントンやサンバのダンスを教える活動を行っており、その中からアスリート級の実力をつけている子どもたちも現われているという。

23名のシャクリーニャの子どもたちがボルトと遊び、サンバを習っている子どもたちは、ボルトにサンバを教えたが、“世界最速の男”はサンバは上手には踊れなかったという。

交流会に参加した中のひとりハファエウ・ホーザ・ヂ・メロ(8)君は「ボルトはとってもいい奴だったよ。サンバを踊ろうとしたからもっと好きになった。サンバは初めてだったから、僕の方が上手だけどね!」と喜んだ。

ハファエウ少年の先生でもあるアレクサンダー・シウヴァ氏によると、生徒には車椅子で生活をしている子もいるが、バドミントンを始めてから動作が機敏になったという。

また、他のファヴェーラ、バビロニアとシャペウ・マンゲイラの子どもたち、約90人とは、競争をした。ボルトはゆっくり走り子どもたちを勝たせた。

優勝したのはカイラニ・ヂ・オリヴェイラ(11)さん。彼女は、UPPが常駐しているファヴェーラの子どもたちに無料でレッスンを行っている市民プログラム「SECIシダダニア」でサッカーを習っているという。

ボルトはその後、フットバレーを行ったが、頭や踵を巧みに使ってパスを行い、ボールを落とすことなく華麗なプレイを見せて「100m走を引退したらサッカー選手になるよ」と語ったという。

(文/麻生雅人、写真/Tânia Rêgo/Agência Brasil)
リオデジャネイロ、レミ海岸で“未来のアスリートたち”と交流したボルト選手