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落ち込む世界のカカオ生産量。危機を救うのはブラジル!?

カカオ ブラジル

近年、世界ではチョコレートの消費が増加の一途をたどっている一方で、カカオの生産量は落ち込み、カカオの価格は上昇しています。

原因のひとつは、世界のカカオ生産量の40%を占めるコートジボアールで、2010年から11年にかけて起こった内戦により、カカオの生産活動の中止を余儀なくされ、カカオ産業が完全に麻痺しているためです。

また、世界的にカカオの需要と供給のバランスが崩れ、カカオの消費量が、カカオの生産能力を大幅に超えつつあることも要因のひとつです。

この危機を食い止めるための唯一の解決策は、カカオ産業の発展のために、世界規模で何十億ドルもの投資を行うことだと言います。

カカオ生産量の分散化も政策のひとつです。世界のカカオ生産量の70%がアフリカに集中している現状を改善し、世界有数のカカオ生産国であるブラジルが、持続可能なカカオの栽培方法を開発し、長期的視野に立ってカカオの生産促進に努めることは、今後起こりうる世界チョコレート危機を回避するための効果的な対策であると言えるでしょう。

しかし、外交的視野に立って見ると、問題はもっと複雑なようです。

2013年3月には、アフリカのガーナからカカオを輸入した政府に対し、バイーア州カカオ生産者たちが反対デモを実施しました(「カナウ・ド・プロドゥトール」2013年3月1日付け号より)。

バイーア州カカオ生産者協会-Associação dos Produtores de Cacau da Bahia(APC)代表は、「国内のカカオ価格が60レアルの今日、アフリカから80レアルでカカオを購入するのは全く理にかなっていない」と述べ、バイーア州の主幹産業であるカカオ産業を圧迫する政府の外交政策を強く批判しています。

カカオ不足が懸念される中、カカオ生産者としては、より利益率の高いチョコレートの製造にウエイトを置く傾向にあるようです。「フォーリャ」紙(3月23日付け)は、カカオ産業の中心地、バイーア州のイリェウス市で、2006年から2012年の6年間にカカオ製品会社が3社から16社へと急増したことを示す中小零細企業支援サービス機関(セブラエ)のデータを報じています。

Tree to Barブランドのモダカ社によると、カカオを販売するよりもチョコレートなどのカカオの加工品を販売した方が、5倍の収入を得ることができるということです。同社は、カカオの加工品に加え、今年よりカカオ農園ツアーを企画しており、天候不良や伝染病等によるカカオの生産量低下による損害を避け、いかにして安定した収入を図るかが、カカオ生産者の重要課題となっています。

カカオの争奪戦が始まりそうな気配の中、カカオ不足を救う救世主として、ブラジルのカカオ生産者たちは、またとないチャンスの時期を迎えているともいえるのです。

(写真・文/井川裕美子)
カカオ産業の成熟の鍵をにぎるブラジルのカカオ生産者たち

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著者紹介

井川裕美子 Yumiko Ikawa  2010年、ブラジル人との結婚を機に、ブラジル南部のサンタカタリーナ州に移住。大の甘党で、自称スウィーツホリック。特にチョコレートをこよなく愛する。地元のチョコレート工場で働いた後、自宅にてブラジル産有機カカオバターとカカオパウダーを使った高カカオチョコレート作りを始め、カカオのおいしさに目覚める。チョコレートの真髄であるカカオを肌で知るため、バイーア州イタカレのカカオ農園を訪れる。チョコレートを通じた日本とブラジルのさらなる交流拡大を目指し、チョコレート大使として、まずはブラジル産チョコレートを日本に普及すべく尽力中。

連絡先はyikawa79@yahoo.co.jp