ブラジル、少雨で火力発電所の稼働率が高まり、電気料金値上げへ

2015年 01月 6日

水不足で電気料金値上げ

国家電力庁(ANEEL)が(2014年12月)26日、全国で火力発電所が稼動しているため、1月の電気代は赤旗が適用されると発表した。

ただし、全国電力システムに統合されていないアマゾナス、アマパー、ロライマ(ホライーマ)の3州は対象外となる。

全国各地の水力発電所のダム貯水量が落ち、火力発電所が通年稼動という状態が続いており、経費が増えた分を埋める意味の緑、黄、赤の旗による新料金体制がいよいよ始まる。

電気代の請求書に記載される3色の旗は、水力発電所のダムが満たされている場合は緑、貯水量が不足気味で火力発電所の稼動が必要な場合は、その数によって黄色か赤の旗が掲げられる。

緑の場合の電気代は、正規の料金で請求されるが、黄色の旗がついた時は、電力消費100キロワット時につき1.5レアル、赤の旗の場合は同3レアルが徴収される。

例えば、サンパウロ市のように、240Kw時使って100レアルの地域では、赤の旗の時は106レアル、黄色の旗の時は103レアルの請求が来る事になる。

ANEELは、少雨、干ばつの時は火力発電所の稼働率が高くなるから電気代も高くなると理解した消費者が節電を心がければ、電力需要も減るから、新しい料金体制は電力システム全体にもプラスに働くと見ている。

2014年の場合、1月は全国的に黄色の旗が掲載されたが、それ以外の月はほとんどの地域が赤の旗だった。14年は火力発電所の稼働率に応じた料金の調整システムがまだ採用されておらず、消費者に直接負担が来る事はなかったが、15年1月からは旗の色に従った追徴金の徴収が始まる(12月26日付「G1」サイトより)。

(記事提供/ニッケイ新聞、写真/Pedro França/Agência Senado)