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リオデジャネイロで公園の木に吊り下げられた15個の心臓みつかる

5月10日(日)、ブラジル、リオデジャネイロ市南部(ゾナスウ)のレジャー公園アテーホ・ド・フラメンゴで、15個の牛の心臓が木から吊り下げられているのが発見されるというミステリアスな事件が起こった。現地メディア「オ・グローボ」が伝えている。

1ダース以上もの心臓が、文字通り木の枝に結び付けられてブラブラ…。何故、誰が、こんなことをしたのか、謎に包まれた。

心臓がぶら下げられていたのは公園内の犬の散歩道。公園の管理人ルイス・ジ・アキーノさんが朝7時30分ごろにパイサンドゥ通りで最初の心臓を見つけ、心臓は新鮮に見えたという。

アキーノさんは写真と映像を撮影。「オ・グローボ」に送ったほか、フェイスブックの地元の話題を語り合うグループ”フラメンゴ地区”に投稿した。

「だいたい30個の、牛肉にみえるなにかがぶら下がっていました。一体それが何なのか私は知りたい。何人かは、宗教的な意思表示ではないかと言っていました。私は芸術的な即興アートだと思います」(ルイス・ジ・アキーノさん)

これらの物体は昼の12時頃に回収された。地域の清掃を毎日担当しているリオ市都市清掃公社(Comlurb)は心臓の腐敗を気にしていた。

早朝、寒かったためアキーノさんは、心臓は凍っていると思ったという。フェイスブックの”フラメンゴ地区”のグループには、「恐ろしい」、「絶対アート作品だ」、「木の伐採に関係しているんじゃないか」などの書き込みがされた。

結局それは、抗議の表現でも黒魔術でもなかった。ぶらさげられた心臓は計15個で、ビジュアルアートを学ぶ3人の学生による”作品”だった。

制作者はリオ州ドゥッキ・ジ・カシアス市にあるリオ大都市圏大学(ウニグランジ)の学生で、タチアナ・ペッサーニャ、ダニ・メイ、デーヴァ・ペイショットの3名。<都市における即興アート>のコースのための作品だった。

精肉店で購入した後、土曜の午後遅くに凍ったままぶらさげられたという。

「社会とアートの融合を試みるインスタレーションです。”生きていること”を表現するために牛の心臓を使いました。今、世界では何が起きていますか? 毎日、世界のどこかで命が危険にさらされています。心臓は生命の象徴、そして木も生きています。もちろん人も」とタチアナさんは表現の意図を語った。

学生たちは”作品”に凍った心臓を使った。そして公園を汚さないように日曜の午後には撤去するつもりだったという。学生たちはこの”作品”を撮影してテキストと共に担当教授に提出した。大きな反響があったことから彼らは高い成績を期待しているという。

「私たちは人々にショックを与えるとは考えていませんでした。しかし、社会の中にアートが入り込み人々がなにかを考えるきっかけになるという目的は達成できたので、結果オーライです」(タチアナ)

美術評論家、キュレイターのダニエラ・ラブラ氏は、リオで起こる殺人や他の暴力について人々が議論するきっかけになる興味深い作品だと語った。

「難しいモノではありません。リアルでインパクトがあります。つい数日前にもアテーホ・ド・フラメンゴでナイフなどの武器を使った暴力のニュースを目にしたばかりです。これは市の暴力について問いかけをする目的を持った表現です。私たちは現実に暴力にさらされているのです」(ダニエラ・ラブラ氏)

ダニエラ氏は、1960年代にベロオリゾンチ市で行われたアルトゥール・バヒオのインスタレーション作品「血を流すボディ」との類似を指摘した。この作品は14個の腐敗した肉を入れた袋を路上に置いたもので、当時の政治的な状況を表現していたという。この種の芸術表現では英国のダミアン・ハーストの作品も有名だ。

(文/加藤元庸)

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