違法伐採の木材業者が、ハッカーを使ってブラジル環境再生可能天然資源院(IBAMA)のデータを改ざん

2015年 08月 24日

違法森林伐採

TVグローボが8月22日(土)、番組「ジョルナウ・ナシオナウ」で報じたところによると、ブラジル環境再生可能天然資源院(IBAMA)がコンピューターハッカーからの攻撃を受けたという。

捜査官の調べによると、木材取引業者がハッカーを雇ってIBAMAの上層部2人のコンピューターへの潜入をはかったという。

ハッカーたちはIBAMA上層部のユーザー名、パスワード、電子証明書を取得。これらの情報を使って木材取引システムに侵入、環境破壊行為で木材取引停止処分を受けていた23社のデータを改ざんしたという。

22日、犯行グループの12人が逮捕され、3人が逃走した。逮捕された12人は警官によりアラゴアス州、マラニョン州、パラー州の刑務所に移送された。

最も捜査官たちの注意を引いたのはハッカーたちがIBAMAパラー州支部の上層部職員の電子証明書を入手した方法だ。この職員のIDで23社の大多数が取引停止処分を受けていた。

犯罪者たちは顔写真部分だけを変えた同職員のIDカードを偽造し、IBAMAのシステムの電子証明書サービスを提供している会社にニセのIDを提示し電子証明書を取得したという。そしてシステムに侵入し木材取引数などを書き換えたという。

こうやってIBAMA職員のIDを乗っ取ったことで、幽霊会社が復活し、木材伐採クレジットと呼ばれる伐採権限を違法に売却することを可能にした。このクレジットは各木材取扱業者がIBAMAのシステム上に持っているものである。これらの幽霊会社はペーパーカンパニーで、取引証明書類を偽造するためだけに存在している。偽造書類は合法に伐採されたと見せかけるために実物の木材に添付されていた。

この不正な方法により、たった10日間で1,100万レアル分、1400台のトラックが満杯になるだけの木材が搬出されたとみられている。

逮捕されたグループは詐欺、文書偽造、森林資源の違法取扱いの罪を問われることとなる。

(文/余田庸子、写真/Reprodução/Jornal Nacional/TV Globo)
写真は「ジョルナウ・ナシオナウ」より。トラック1400台分の木材が違法に搬出されたとみらえる。TVグローボのニュース番組はIPCTV(グローボ・インターナショナル)で放送中。視聴のお問い合わせは、080-3510-0676 日本語対応ダイヤルまで