リオの女子高生が小惑星を発見、NASAに招待される

2016年 09月 28日

女子高生 惑星発見 リオ

ブラジル、リオデジャネイロの学校に通う女子高校生が、火星と木星の間を通る5つの新しい小惑星を発見して話題となっている。現地メディア「オ・グローボ」が9月20日づけで報じている。

小惑星を発見したのは、リオデジャネイロ州カンポス・ドス・ゴイタカゼス市にある、リオ州立ジョアン・バルセロス・マルチンス技術高校に通う女子生徒、ミレーナ・ペイショットさん(16)。

この発見は国際天文調査協会(Iasc)により認められ、米国NASAのジョンソン宇宙センターと、アメリカ国立電波天文台(NRAO)から招待状を受け取る事態にまで発展、大きな話題を集めている。

「5つの小惑星を確認するまで、軌道の中を動く天体を観察するのに専念した日々でした。簡単ではなかったけど、本当に嬉しい結果になりました」(ミレーナ・ペイショットさん)

ミレーナさんの宇宙科学への関心は2015年から始まったという。

国際天文調査協会が行った「国際小惑星探査キャンペーン」に参加し、たった15歳で地元の天文研究会である「カンポス天文クラブ」のメンバー入りを果たした。カンポス・ドス・ゴイタカゼス市は、ドイツのハイデルベルク市と並んで、世界でも有数の小惑星観察ベストスポットのうちのひとつとみなされており、天体研究が進んでいる都市である。

ミレーナさんは合衆国に1週間ほど滞在し、30日に帰国する予定。NASAの訪問の他、NRAOの天体観測データの分析方法を学ぶ講座に参加する。さらにはホワイトハウスでの夕食会にも招かれている。

日本でいうところの高校3年生にあたる彼女は、父親と継母と2歳の弟と4人で一緒に暮らすが、決して裕福な家庭で育っているとはいえない。渡航費用など約8000レアルを工面するため、スポンサーや協力者探しに苦労した。自分でビデオを作り、募金を呼び掛けたりもした。

「最初からコンディションが整ってないことはわかっていたので、他の手段を探し始めました。まだ16歳ですし一人でスポンサーを探しに行ったので、最初は誰も信用してくれませんでした。地元の新聞の表紙に載ってから、みんなが信用してれるようになりました。協力してくれた人々、先生方、仲間の生徒達や友達、家族がいなかったら達成できていなかったと思うので、今のこの状況をとても誇りに思っています」(ミレーナ・ペイショットさん)

5つの小惑星にはそれぞれ、P10odrM、P10ovCY、P10oCwi、P10oCAs、 P10ouCrという仮の名前がつけられ、5年後にミレーナさんが公式命名権を手に入れる。家族やプロジェクトのコーディネータに敬意を表して名づけることを考えているという。

(文/noriji、写真/Divulgação)
小惑星を発見したミレーナ・ペイショットさん