リオデジャネイロ麻薬密売組織の大物が死亡
2016年 09月 27日現地時間9月26日(月)、ファット(ファッチ)・ファミリーの通称名で知られていた麻薬密売人ニコラス・ラブリ・ペレイラ・ヂ・ジーズス(28)が、リオ市・文民警察の作戦中に殺害された。現地メディア「G1」などが報じている。
文民警察の特殊部隊である通称COREによる襲撃は、リオの首都圏にあるサンゴンサーロのコンプレクソ・ド・サウゲイロで行われ、容疑者2名が死亡したという。また、同部隊の広報によれば、3丁のライフル銃も押収されたという。
ニコラス容疑者は、リオ市南部(ゾーナ・スウ)のカテッチにあるファヴェーラ(スラム街)「サント・アマロ」の麻薬取引のリーダーの一人だと考えられている。ソウザアギアール病院に入院していたが、今年6月、密売人の仲間が病院を襲撃、その後、逃走していた。
警察が逃亡者を見つけるために行う作戦は、これが初めてではない。9月1日には同ファヴェーラで、6月22日にはサンタクルスにあるファヴェーラ「ホーラ」で、その2日後には16の複合ファヴェーラ「マレー」で作戦を繰り返したという。
ファッチ・ファミリーが逃走した6月にも27部隊がラゴス地区とフルミネンセ地区へ動員され探索がおこなわれたが、いずれも成功しなかったという。
今回の作戦が行われた日、死亡した容疑者の本拠地サント・アマロがあるカテッチ地区やグローリア地区の警備は、一日を通して強化された。
飲食店や店舗などは正午過ぎから軒並みドアを閉めていた。地元住民によると、ニコラスの死を慎むよう組織から言い渡されているという。明日以降の営業も未定だ。
筆者が居住しているのがまさにこのグローリア地区。買い物や外出さえままならない状況を強いられている。麻薬組織の力の浸透を身をもって痛感した一日となった。
(文/柳田あや 写真/Reprodução/Globonews/TV Globo)
写真は26日の朝、リオデジャネイロ市。カテッチ地区やグロリア地区では商店も営業していない。グローボニュースより、。TVグローボのニュースは、日本ではIPCTV/グローボインターナショナル(スカパー 514ch)で放送中)