新藤総務大臣がブラジルのベルナルド通信大臣と会談

2013年 08月 8日

Paulo Bernardo

日本の新藤総務大臣のブラジル訪問をグローボG1が報じた。

50年ぶりという寒さの中、日本館等の視察と先没者慰霊碑参拝のため、聖市のイビラプエラ公園を訪れ、日系4団体代表と意見交換の後、懇談歓迎会に参加したという。

新藤大臣はまずマナウスの免税地域監督庁(SUFRAMA)関係者と意見交換を行い、「マナウスのソニー工場で働くブラジル人が、皆誇らしげに嬉しそうに仕 事をしているのを見て、両国の関係の良好さに感じ入るものがあった」と感慨深げに話した。

その後、首都ブラジリアで、ベルナルド通信大臣(写真)と約45分間の会談を行った。

新藤大臣とベルナルド通信大臣との会談では、ブラジルが世界で初めて日本の地上デジタル放送企画を採用したことが起点となり、この日伯方式が南米を中心に世界15カ国への普及に繋がったこと について謝意を示し、より一層連携していく旨で合意したという。

日伯間における協力関係を地デジからICT分野全体、インフラ管理、資源探査などの例を挙げながら、公共サービスの分野にかかるIT技術に拡大していくことにも合意、覚書を交わした。

ブラジルでは空港、道路、鉄道、港の運営には政府 の許可が必須で、この合意
意思はこれからの日系企業のブラジル国内での新規事業の重要性を示している。

南米に日本式の地デジ方式が何故拡がったかというと、日本式の最大の特徴であるワンセグ機能が付いている点で、貧しい国でも携帯電話は普及してい るからTVを携帯通して視聴させるようにするためだと解釈される。

ベルナルド通産大臣にとっては、携帯電話のネット接続の品質が悪い状況を至急克服しなければならないという課題がある。今年3月の段階で 国家電
気通信庁(Anatel)が公表した報告書によると、携帯電話のインターネッ
ト接続やメール送受信サービスの品質向上に向けた携帯電話事業 者の対応改善
がほとんどみられていない現状が露呈し、国内各事業者に改善が見られなかっ
た。

モバイル通話に対して、人々には通常の消費税よりも高い税率が課されて
いるため、利用者の不満も大きかった。

4G回線に関して、ブラジル国内における第4世代移動通信システム(4G)の
範囲を拡大させるためにも、700メガヘルツ周波数帯のモバイルブ ロードバンド網の構築に先手を打つ意向を示してきた。スマートフォン(スマホ)の普及によってデータ通信量が増加し、それに伴い新たな周波数帯が 必要になってきているため、700メガヘルツ周波数帯の入札を今年始めると発表しているため、着実に日本が食い込める状況が出てきた。

ブラジル国内におけるブロードバンド(インターネット高速接続)の一般化とテレビ地上デジタル放送の整備の加速化は、会談以前から目標に掲げられ ていたので、このエリアは日本企業が大きなエラーをしさえしなければ、取り込めるフィールドになってきたはずである。

NHKの技術研究所などが開発を進めている、現在の日伯方式(2K解像度)よりもさらに精細度が高いテレビ映像の放送技術(4K、8K)のデモン スト
レーションも、2014年W杯、16年リオ五輪の際に実施することも視野に入
れているとのこと。

(文/加藤元庸、写真提供/TV GLOBO)
写真はPaulo Bernardo パウロ・ベルナルド通信大臣