やはり当てにならない!?ボベスパ指数5万ポイント回復と国内消費

2013年 08月 29日

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13年6月に4万ポイント台に落ち込んでいたボベスパ指数がようやく5万ポイント台に回復し、8月22日に5万1000ポイントを超えた。その原動力は、資源であった。そして、震源地はやはり中国である。

中国の製造業購買担当者指数が活動拡大を示したことを受けて、関連の鉄鉱、石油、製鉄関連の企業の株が軒並み上昇した結果、5万1000ポイントに達したようだ。面白いのは、資源株につられて、エンジニアリング会社のMRV、インターネットを使ったデジタルサービス会社B2W、化粧品会社のナトゥーラなど、一見関係ない他銘柄も上昇していることだ。

ブラジルのGDP(国内総生産)の約6割は内需である。そして、ボベスパ指数の3~4割は資源株である。日本の新聞では、この2~3年GDPとボベスパ指数をもとに、ブラジル経済の減速報道がされていたが、日本とブラジルを頻繁に行き来する立場から見ると、12年までは来るたびにブラジル人の消費意欲の旺盛さに圧倒され、まったく不景気の影を感じなかった。それもそのはずで、消費は12年までは毎年2ケタで伸びていたのである。

ところが、中国の減速で資源が落ち込むと、ボベスパ指数の4割近くを占める資源株は軒並み下がった。また、消費は逆に絶好調ゆえに国内の需要に供給が追い付かず、輸入を増やしたがために、貿易収支が悪化し、GDPを押し下げたのである。

今年は、デモの影響もあるが、それを差し引いても国内の消費は鈍化し始めていた。ボベスパ指数の回復は、多少富裕層の懐を暖かくするが、ボリュームゾーンである中間層は恩恵を受けない。逆にガソリン値上げの観測もあり、さらに消費を冷ますことになるかもしれない。

今回のボベスパ指数の上昇・回復も、おそらく景気とは関係なく、GDPにも影響をあまり与えないだろう。ブラジルの経済を見る時は、かなり複眼で見る必要がある。株価とGDPと内需は、実はあまり連動していない。国内消費が伸びても、GDPは下がるし、株価が上がっても、国内消費は下がる。

やはり、ブラジルとビジネスをするには、ブラジルに住み、生活実感を持ちながら、マーケティングや投資の判断をしなければ間違うということだ。そうすれば、税金や生活費が高くても、労務費が高くても、収益をしっかりと上げる道は必ず見つかるだろう。多くの欧米企業は実践しているのだから。

(文/輿石信男/クォンタム/、記事提供/モーニングスター、写真/Fábio Rodrigues Pozzebom/ABr)
写真は、サンパウロ証券商品先物取引所(Bolsa de Valores, Mercadorias & Futuros de São Paulo)、通称ボベスパで電子取引を行うボベスパのオペレーター