8年間乗ったフェラーリを離脱するフェリペ・マッサと、F1昇格が噂されるフェリッペ・ナスル

2013年 09月 14日

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サンパウロ出身のフェリッペ・マッサがいなくなってしまうと、F1からブラジル人ドライバーがいなくなってしまう。

今季も半分以上のツアーを終えて、4位、5位、6位、8位という惜しいレースの多いマッサ。表彰台に上がったのはスペインGの3位が一度だけだった。

このままフェラーリを去ると、F1でのシートがなくなるとも言われており、32歳の彼にとってはまだ早い引退の噂まで出てきた。セナは34歳でまだ現役で走っていたし、バリチェロだって40歳まで走り続けたのに。

マッサの離脱に対して、ブラジル人元F1ドライバーたちは次のようなコメントを発表している。

「友人であるマッサがフェラーリのシートを失ったと聞いて悲しかった。でも、フェラーリを去った後も、人生における生きがいはある。僕自身がその証拠さ。フェラーリで走ることは、最も刺激的なこと。でもその後には 解放感がある。プレッシャーが少し和らぐからね。いまは苦しいだろうけど、それ以後の人生はより素晴らしいものだし、物事も以前よりうまく行くよ」(ルーベンス・バリチェロ)

「ザウバーはマッサに復帰してほしいだろうね。でも、洗練されたクルマというわけではない。すべてはマッサ次第さ」(ルチアーノ・ブルティ)

マッサのF1ドライバーの将来が危ぶまれている中、GP2で活躍する21歳のブラジル人ドライバー、フェリペ・ナスル(写真)が2014年にF1へ昇格を果たすことになるという噂もある。

現在、GP2のランキング2位につけている20歳のナスルは、F1への昇格を果たすのも「それほど遠くない」と今年6月に認めていた。

そしてブラジルの「グローボ」はここへきて、F1最高責任者であるバーニー・エクレストンが、ナスルに対して「助言が欲しいときは いつでも声をかけてくれ」と語ったと報じた。

エクレストンはさらに、いくつかのF1チームがナスル に興味を示していることをほのめかし、次のように語った。「F1界がブラジル人ドライバーを必要としているんだ。彼らと何度か話をしたんだが、彼(ナスル)がここ数年で大きく成長したことに誰もが非常に感心している」

しかし、ナスル自身は「世界最高のモータースポーツに上りつめるという夢がかなうまで、もうあと少しのところまできている。でもそれは簡単なことじゃない。良い成績を残すことも重要だけれど、財政的支援も必要だからね」と控えめだ。

そんな中、ナスルが、ブラジル銀行とスカイ・ブラジルからの支援を手に、ダニエル・リカルド(トロロッソ)の後任としてレッドブルの姉妹チームであるトロロッソ入りを目指していると報じられたが、すぐさまレッドブルのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコが、この報道を否定した。

取り敢えずは、10月11日~13日に開催される三重県・鈴鹿サーキットでのマッサの走り、同じフェラーリの友、現在ポイントで2位につけているアロンゾのポイント争いでの巻き返しに期待したい。

今季最終戦となる F1ブラジルGP (サンパウロ)11/22-24には、この物語の結果が出ているのだろうか?

(文/加藤元庸、写真/Getty Images)
写真は2013年9月8日、フェリッペ・ナスル、イタリアにて。アルパインスターズ社設立50周年パーティにて