強盗に入られた男性、発砲されるもポケットの中のスマホで命拾い

2014年 05月 2日

拳銃を発砲された瞬間、死んだ–と思ったら、偶然ポケット内のスマホが楯になって弾丸が逸れて命拾い…。

アクション映画でよくある命拾いシーンが、また、現実に起きた。現地メディア「G1」(5月1日付け)が報じた。

事件が起きたのは5月1日(木)、サンパウロ州アララクアラ市の軍警察官の自宅。強盗が入ったのは午後13時ころ。警官の母親が家の外壁を掃除していたところ二人の若者に刃物で脅され、家の中に押し込まれた。家の中には警官の父親と、もう一人がいたが、母親を含め3人が約30分、人質となった。

家の中で宝石など金目のものを物色した強盗たちが出て以降としていたとき、その日非番だった警察官がたまたま帰宅。家の中にいた強盗とハチ合わせして発砲された。

強盗は2発を撃ち、そのうち1発が警官の腰に当たった。しかし腰ポケットにスマートフォンが入っていたおかげで、弾は剃れて警官は命拾いした。

強盗は貴金属や現金、携帯電話類を奪いそのまま逃走して、5月1日の時点ではまだ捕まっていないが、文民警察は2名の強盗のうち1名の身元を特定しているという。

ところで、ブラジルでは2013年1月15日にエスピリットサント州ヴィラ・ヴェーリャで、強盗に発砲された男性が、胸ポケットのペンに弾丸が当たり命拾いした事件もあった。また、さきごろ4月9日には、北部パラー州のベレン市で、強盗に襲われたクリニックで、発砲された医師が手にしていたカバンに弾丸があたり助かる事件も起きている。

4月9日(水)の事件は、クリニックに侵入した強盗事件。駐車場でクリニックの警備員やスタッフを拳銃で脅し、院内の警備カメラに映らないよう低い姿勢で診察室へ全員を誘導。医師のいる診察室の中は患者が裸になることもあり監視カメラが設置されていないことから、全員が診察室に連れ込まれた。

そこで全員が金目のものを出そうとしている中、医師は、カバンの中に金目のものがないことを見せようと思い、カバンの中身を出そうとした。ところが同医師は、ふだん杖を使わないと歩けないほど体が不自由で、動作が不自然だったため強盗は医師を疑って発砲したという。

しかし、弾丸はカバンに当たり弾道を逸れて、医師のお腹をかすった。カバンがなければお腹に被弾していただろうと見られている。強盗犯はバイク、カバン、ヘルメットを置きざりにして逃走したという。

このクリニックはこの1年で強盗に襲われたのは2度目で、前回は4人組の強盗にコンピュータ類を盗まれ犯人は捕まっていない。前回は警備カメラがなかったので、その後、警備カメラを設置していたが、今回は警備カメラの盲点を突かれた形となった。

(文/麻生雅人)