地下鉄工事中のイパネマ地区、舗道に亀裂や陥没
2014年 05月 13日5月11日(日)、リオデジャネイロ市の南部(ゾナ・スウ)にあるバロン・ダ・トーヒ通りの歩道に亀裂や陥没が起こったと現地メディア(「オ・グローボ」同日付けなど)が報じた。
この一帯の地下では4地下鉄号線の工事が行われている。同工事を請け負うコンソーシアムと代表者による話し合いが持たれた。防災局のマルシオ・モッタ次官は、安全が確認されるまでイパネマの地下鉄の掘削工事の中断を決定した。マルシオ次官は地域住民に対して真っ先に報告がいくべきだったのにされなかったことを、疑問視した。
防災局は、同通りの132、135、137、138の番号に立っているビルに対し、近くの歩道に大きな穴が開いたが、ビルには影響はないと発表した。
地下鉄4号線工事コンソーシアムのプロダクションマネージャー Aloísio Coutinho Júnior アロイージオ・コウチーニョ・ジュニオール氏も、ビルが倒れることはないと答えた。現在、現場には杭を建てて穴が広がらないように処置をしているという。陥没の正確な原因は調査中とのこと。また近隣住民で直接被害をこうむった人には補償金が支払われるという。工事が終わるまで心配な人はホテルで寝泊まりしてもらう用意があるとも答えた。
専門家によると、イパネマの路上に新たに穴が開く可能性はあるという。
土木技師のRoberto Lozinsky ホベルト・ロジンスキー氏は原因は地下鉄工事ではなく、地下でズレが生じていて陥没が起きたのではないかと指摘している。
「特にイパネマの辺りは地下にも砂の層があるため、地下でずれが生じている可能性があります」(ホベルト・ロジンスキー氏)
事故など緊急時のプランを担うCoppe/UFRJのMoacyr Duarteモアシール・ドゥランチ氏も、地下でズレが起きて空洞が起きているところに、工事で振動が与えられて土管が破裂した可能性もあると答えた。地中に空洞ができているかどうかの精査がひつようだという。
しかし建築家のCanagé Vilhenaカナジェ・ヴィリェーナ氏は、きちんと準備のプロセスを踏んで工事を進めていなかったのではないかと、疑問を呈した。
(文/麻生雅人、写真/Tomás Silva/Agência Brasil)
5月11日(日)、リオデジャネイロ市イパネマ地区、地下鉄4号線工事が行われている現場で、陥没がおきた舗道