ブラジルに滞在していたベッカム、バイクで熱帯雨林を冒険

2014年 06月 26日

マダムタッソー ベッカム

“サッカー界の貴公子”として知られ、2013年に引退を表明したベッカム。6月19日にはロンドンのマダムタッソー蝋人形館に新しい人形が飾られて話題になっていたが、ワールドカップ直前には、ブラジルで過ごしていた。

ベッカムのブラジルでの様子をTVグローボのバラエティ番組「ファンタスチコ」が6月15日(日)と22日(日)、2週に渡ってレポートした。

リオデジャネイロ、ヴィヂガウ地区のファヴェーラに別荘を購入して話題になったベッカムは、3人の友人を誘って丸2週間、ブラジルで過ごしていたという。彼らはヴィヂガウの別荘を出発して、アマゾニアの熱帯雨林をバイクで冒険したとのこと。

ベッカムは3回、ワールドカップでプレイしている。その内2回はイングランドのキャプテンとして出場した。レアル・マドリッドでは、ブラジル人選手のロナウドがパートナーだった。そして22年のキャリアを終えた今、「これまでやったことのないことを成し遂げたかった」と話している。

ワールドカップに関しては「このW杯はどう終わるべきなのだろうか? 私はもちろんイングランドに勝って欲しいが、ブラジルとアルゼンチンが決勝戦で激突することにでもなったら、最終日は素晴らしいことになるだろう」と彼は想像を拡げる。彼の望む生き方はドラマチックなのである。

旅が終わって彼にブラジルの何が一番好きだったか尋ねると、答えは明解だった。

「人々の誰もが、世界のどこにいても、ブラジルの悲哀と喜びを持っているところだね」(ベッカム)

ベッカムの今回の冒険のそもそものアイデアは、ブラジルの友人とともに数日間現実から離れて、自分の人生を見つめなおすことだったという。

目的地まではいろんな困難に直面したが「またチャンスがあればやりたい」と答えた。

「僕らは、とてもじゃないが通るのが不可能な道にもバイクで入っていったんだ。非常に不快な環境でもあったけど、非常にクールな道程でもあったよ」(ベッカム)

ブラジルに来て、彼が最初に熱中したのはバイクだとか。まるで新しいおもちゃをもらった子供のようだったという。

「ヘルメットを被っていると、誰も私だって気がつかないからね。とても自由に感じたんだ。バイクに乗っていると、17歳の頃の子供になったような気分になったよ」(ベッカム)

彼の妻で、元スパイスガールズのビクトリアさんはベッカムに「あなたの冒険は非常に長い道のりだし、あなたの髪はどうするの? 洗えるの? あなたは自分の食べ物を狩るのにどうするの?」と矢継ぎ早に質問を投げかけた。

「まともなレストランなんて無く、シャワーも浴びられず、アクシデントが生じると何もすることがなくて、ただそこで待つしかない。でも私は、そんな状況を子供のようにはしゃいで過ごしていたんだ」(ベッカム)

ベッカムは、生きるってことはなんて単純なことなんだろうと、改めて思い知ったのかもしれない。

(文/加藤元庸、写真/Getty Images)
6月19日、ロンドンのマダムタッソー蝋人形館に新たに設置されたデヴィッド&ヴィクトリア・ベッカム夫妻の人形