サンパウロで、公共の場でのデモにおける覆面使用禁止、法令化へ。対して、法令化反対デモも
2014年 09月 7日9月4日(木)、サンパウロ市旧市街区にあるフーズベウ広場で、デモ行進における覆面禁止法案に抗議する抗議デモが行われた。
コンソラサォン教会がある同広場は、コンソラサォン通りの入口に位置しているが、デモ参加者がコンソラサォン通りに向かおうとすると、軍警察の機動隊が行進が通りに入らないようバリケードを組んで行方を阻止した。同日づけ「フォト・プブリコス」が伝えた。
通りの近隣の商店の中には混乱を恐れてシャッターを閉める店もあった。機動隊は抗議運動参加者の一部の持ち物検査もしたという。
デモ参加者は軍警察の機動隊が現われると軍警察が、投入されたこと自体にも抗議を行った。
抗議デモが行われた前の週の8月29日(金)、ジェラウド・アウキミン・サンパウロ州知事は、公共のデモにおいて覆面の使用を禁止するという法令50/2014号に署名をした。こちらは「G1」(8月29日づけ)が伝えている。この法律は調整後に発効されるが、それまでには180日間かかるという。
「公共の路上で行われるデモにおいて、仮面を被るなどして顔をわからないようにすることは禁止する法案に我々は署名しました」と、州政府のバンデイランチス宮で州知事は記者たちに語った。
知事は、法令の目的は、純粋なデモ参加者と、暴力事件を起こす連中とをはっきり区別するためだと語った。
「抗議デモを行うということは、そもそも大切な権利です。ルールに則って社会のために行われているものと、そうでない荒くれ行為とを選別するということです」(ジェラウド・アウキミン知事)
新聞記者などがガスから身を守るために被るマスクは禁止対象外になる模様。法令は整備のプロセスに入っており、覆面をつけていたデモ参加者が覆面をとらなかった場合の罪を含め、これからルールの詳細が検証されるという。
軍警察のベネヂット・ホベルト・メイラ大佐は、「警察が覆面をしてデモに参加している者に覆面を外すように話ても外さなかった場合、いかなる罪に問われるかですか? 不服従です」と答えた。
メイラ大佐によると、覆面者が少ないデモでは暴力事件は少ないという。
「1300以上の抗議運動を見てきましたが、覆面をしている参加者が少ないデモは犯罪も少なかった。覆面をしている者が多いと問題がでてきた。最近、覆面がなくなってきてから問題もなくなってきています」(メイラ大佐)
サンパウロなどでは、ブラックブロックと呼ばれる覆面をした集団が抗議運動に混じり、破壊活動を行う事件が相次いでいた。
(文/麻生雅人、写真/Oswaldo Corneti/Fotos Públicas)
写真は9月4日、公共のデモにおいて覆面の使用を禁止する法令に抗議して行われた覆面デモ