ジウマ大統領、決選投票に向けて対策強化。マリーナ票の獲得も狙う

2014年 10月 9日

PT集会に集まる有権者

ジウマ大統領は(10月)7日(火)、(今月)26日に行なわれるアエシオ・ネーヴェス(ネヴィス)氏(民主社会党・PSDB)との大統領選の決選投票に向け、作戦会議を開いた。

そこでは、惨敗に終わった聖州(サンパウロ州)地区での巻き返しについて話し合われた。また、アロイージオ・メルカダンテ大統領府官房長官をはじめ、決選投票に向けたスタッフの強化も図った。8日付伯字紙が報じている。

ジウマ大統領は7日、ブラジリアで行なわれた会議の席で、「私が分析するに、私は聖州で票が取れなかった。これ以上に単純明快かつ屈辱的なことはない」と語り、聖州での敗戦をことのほか悔しがった。

5日の大統領選で、ジウマ大統領は大票田の聖州において約26%の支持率しか得ることが出来ず、約44%の支持率を獲得したアエシオ氏に420万票ほどのリードを許した。

今回の聖州でのジウマ氏の敗戦は、同氏のみならず、PT全体の問題でもあった。それはPT本部のあるABC地区のサンベルナルド・カンポやサントアンドレをはじめ、オザスコやグアルーリョスといった同党の基盤があると信じられていた都市で敗れたからだ。

また、聖州知事選でPT候補のアレッシャンドレ・パジーリャ氏が18.22%と、同知事選の過去のPT候補の得票率を大幅に下回る結果だったことも、同州での「PT離れ」の懸念材料となっている。

そこでPTはきょう9日、ルーラ前大統領が陣頭指揮を取って、聖州の支部長たちを集め、強化対策キャンペーンを打ち出すべく緊急集会を行なう予定だ。

ジウマ氏は決選投票で必勝を期すべく、キャンペーン・チームの強化も図った。大統領府官房長官のアロイージオ・メルカダンテ氏は休職願いを出して、決選投票のために尽力する。

メルカダンテ氏の主な役目は、アエシオ氏が最も執拗に批判することが予想される争点の一つである、ジウマ政権の経済対策に関する反論役だ。アエシオ氏は、当選した暁の財務相に予定している元中銀総裁のアルミニオ・フラガ氏を抱えて論戦に構えているが、メルカダンテ氏はそれへの対抗策だ。

また、一次投票で知事選に勝利したミナス・ジェライス州のフェルナンド・ピメンテル氏や、バイーア州のルイ・コスタ氏、ピアウイ州のウェリントン・ジアス氏といった新知事たちもキャンペーンに参加する。

また、3位に終わったマリーナ・シウヴァ氏(ブラジル社会党・PSB)が獲得した約2200万票をいかにして取り込むかも話し合われた。

マリーナ氏は現状ではアエシオ氏の支持に動くとの見方が強いが、PT選挙参謀のジョエル・サンターナ氏は「マリーナ氏の支持者にはソーシャルネットワークサービスを利用する若年層が多く、汚職への明確な対策を望んでいる人や、治安、環境問題に関心のある人が多い」と判断、それを元に対策をとる意向だ。

(記事提供/ニッケイ新聞、写真/Ichiro Guerra/Dilma 13)
写真は10月8日、ピアウイー州テレジーナのアトランティック・シティ・クラブ。支援集会でジウマ大統領にセルフィー撮影をリクエストする有権者たち