ブラジルでジウマ大統領再選への抗議デモ

2014年 11月 2日

ジウマ大統領再選抗議デモ

11月1日(土)、サンパウロのパウリスタ大通りと、ブラジリアで、ジウマ・フセフィ(ルセーフ)大統領の再選に反対する人々による抗議デモが行われたと現地メディア(「オ・グローボ」同日づけ)が伝えている。

軍警察によると、土曜の午後、パウリスタ大通りでは約3000人が、ブラジリアでは約400人が、ジウマ大統領の再選に抗議したという。

デモでは、政府の汚職スキャンダルへの抗議と、ペトロブラスの公金横領スキーム問題への非難などが訴えられた。

サンパウロでは「ジウマの選挙:史上最大の詐欺」というフレーズが叫ばれる中、数名が街宣車から、今年の選挙は無効だと訴えた。大統領のリコールも叫ばれた。

デモはパウリスタ大通りをほぼ占拠してコンソラサォン方向へ向かい、武器や楯を持たない軍警察官たちが、パウリスタ大通りからイビラプエラまでデモ隊に付き添った。また、デモは強い日差しの中で行われたため、女性の参加者の多くは日よけに傘をさして行進した。

デモのおわりころ、一部の熱狂的な集団がイビラプエラ公園の地域にあるバンデイランチス像の前に集まり、「サンパウロは私の国」と叫びながら、サンパウロ州の州旗を振りかざして国家を歌ったという。

一方、ブラジリアではデモ行進は、イザウシ議員(民主社会党:PSDB)のスピーカーを搭載した選挙運動車に先導されていた。デモの主催者たちは、ジウマ大統領の対立候補だったアエシオ・ネーヴィス氏(民主社会党:PSDB)の旗を振りかざした。

デモ隊が掲げたカードのひとつには「腐敗した政治家や泥棒に死刑を」と記されていた。街を走る多くの車がデモ隊を応援してクラクションを鳴らしたという。16時ごろには雨が降って来たため、デモ隊は約150人ほどに減ってしまった。

ブラジルの大統領選挙は10月26日にジウマ氏(労働者党:PT)とアエシオ・ネーヴィス氏(民主社会党:PSDB)によって決選投票が行われたが、ジウマ氏が約5450万票、アエシオ氏が約5100万票という接戦の末、現職のジウマ大統領が再選を果たした。

国民を大きくニ分する選挙戦となったことかもあり、選挙後、ジウマ氏もアエシオ氏も、国が分裂することを懸念、国民の団結を訴えていたという。

(文/麻生雅人、写真/Oswaldo Corneti/Fotos Públicas)
写真は11月1日、サンパウロのパウリスタ大通りで行われたジウマ大統領再選への抗議デモ