2016年オリンピック・パラリンピックのマスコット、「ヴィニシウスとトン」お披露目
2014年 11月 25日2016年にリオデジャネイロで開催されるオリンピック・パラリンピックの大会マスコットが11月24日(月)に公表された。
マスコットが発表されたのはリオデジャネイロ市のサンタテレーザ地区にある市立フアン・アントニオ・サマランチ・オリンピック体育体験学校にて。
公表されたマスコットはブラジルの動物と植物にインスピレーションを受けた2体。既に2013年の8月に(原型は)選ばれており、1年3か月、秘密裏に改良が加えられ、この日、国を代表するマスコットとして公表された。
植物を表わしているパラリンピックのマスコットは青色で、髪の毛は緑色。樹冠が乗った木の形をしており、植物の多様性を表わしている。
マスコットたちは、ブラジルのアニメーションやビデオゲームに登場するキャラクターなどポップカルチャーからの影響も受けているという。
名前はまだ未定で、現在はオリンピックの公式サイトで名前を公募される。公募はオリンピック、パラリンピック、各々のマスコットに対して行われ、それぞれ上位3つが選出され、そこから最終決定が行われることになる予定。
マスコットを制作したビルド・スタジオの共同経営者兼代表のパウロ・ムペッチ氏は、秘密の漏えいに中止を払ったと語った。
「(作業を進めるうえで)全てのファイルはインターネットで送信するとき、暗号化しなければなりませんでした。私たちはマスコットたちの名前を使うこともできませんでしたし、オリンピックに関することだといかなるときにも話すことができませんでした」(パウロ・ムペッチ氏)
(マスコット受注の)コンテストに買っていたことすら、スタッフは家族にも秘密は洩らせなかったという。
「誰もが携帯端末を使いセルフィ写真をアップするのが日常的となっているような、インターネットがこれだけ普及した時代、あるひとつもことを秘密にしておくということは、とても困難ですからね」(パウロ・ムペッチ氏)
パウロ氏の同僚ルシアーナ・エグチ氏は、マスコットのオリジナルのデザインは発表されたものとそれほど大きく変化はしていないという。パラリンピックのマスコットも色にほんの少し変化があっただけだという。
「私たちの大前提は、(ブラジルの)動物の生物多様性を表わすことでした。多くの人は小型猿やコンゴウインコ、ジャガーなどを好みますが、私たちをすべてを表現するオリジナルのキャラクターを望みました」(ルシアーナ・エグチ氏)
マルカ・ド・リオ2016のベッチ・ルーラ監督は最終選考には子どもたちも参加したという。
「私たちはファイナルに残った3つの候補を6歳~12歳までの子どもたちに見せました。うちひとつは子どもたちは最初からNGで、2つになりました。満場一致で選ばれたマスコットは、子どもたちにも広く受け入れられたマスコットでした」
マスコットは、一番最初の段階では、24の関連企業が参加したコンペティションで候補が選ばれた。これらの中から14社が残り、最終的に3つのマスコットが残り、子どもたちからも審査を受けた。
マスコットの審査を行った中にはアニメーションを手掛ける会社もあった。「アニマ・ムンジ」というフェスティヴァルのセーザル・コエーリョ代表も、審査に加わったひとり。
「ブラジルのアニメーションはどんどん発展しているので、これはとても貴重な機会になりました」(セーザル・コエーリョ代表)
マスコットのお披露目には、カルロス・アルトゥール・ヌスマン・オリンピック組織委員会長、アンドリュー・パーソンズ・パラリンピック組織委員会長、エドゥアルド・パエス・リオデジャネイロ市長も同席した。3氏とも、マスコットに生物多様性が表現されていることを称賛した。
「私たちにとって、多様性は、ひとつの選択肢と思えるかもしれません。しかし、私たちの子どもや孫の世代にとっては、唯一の選択肢なのです。我々が、他者との違いに対して寛容と理解を示すことは、今日、世界の中で生きていくことができる唯一の道なのです」と、カルロス・アルトゥール・ヌスマン・オリンピック組織委員会長は、多様性を理解することで生まれる寛容の重要性を強調した。
(記事提供/Agência Brasil、訳文/麻生雅人、写真/Divulgação Rio 2016 – ALEXFERRO.COM.BR)