「ブラジルのサッカーを実況し続ける男」中村義昭氏に聞く、ブラジルリーグの魅力

2014年 12月 5日

マルコスホッシャ

「攻撃面においてもディフェンス面においても、選手ひとりひとりが、目の前の相手に絶対に負けないんだ、という1対1の勝負へのこだわりを持っている、という印象があります。すべてにおいて勝負ごとは“自分が勝たないと面白くない”という思いが根底にあるのではないでしょうか」

1対1の勝負の面白さこそが、ブラジルリーグのみどころだという。

「個々の選手が、ボールがきたら、まず“自分で仕掛けてやろう!”、“目の前の選手を抜いてやろう!”、“自分でいってやろう!”、 と動くところがブラジルらしいですね」

具体的には、サイドバックにブラジルならではの特徴が顕著なのだとか。

「ポジション別で見てみると、現代サッカーのサイドバックはすでに<バック=守備の人>ではないですよね? サイドバックは攻撃面においても重要な役割を担っています。ブラジルリーグを見ていると、サイドバックの選手が、一人でガンガンボールを運んで行って、2人3人抜き去って…最後には自分でネットに突き刺してしまう、なんてことが日常的にあります。サイドバックの<進化>はブラジルから始まっていると僕は思います。サイドバックの<最新スタイル>はブラジルから生まれています! ブラジルは、優れたサイドバックの宝庫です」

ところで、2014年はブラジルにとってはワールドカップで苦い経験をした年でもある。ブラジルリーグにもワールドカップの影響はあったのだろうか(次ページへつづく)。

(文/加藤元庸、写真/Bruno Cantini/Clube Atlético Mineiro)
写真は2014年10月18日、ベロオリゾンチ市アレーナ・インジペンデンシアで行われたアトレチコ・ミネイロ(ミナスジェライス)対シャコペエンシ(サンタカタリーナ)戦。アトレチコ・ミネイロのサイドバック、マルコス・ホッシャ(左)はブラジレイラォン2014ベスト・イレブンに選ばれた