ペトロブラス、グラッサ総裁は元社員の告発に反論。製油所建設関連での汚職報告の事実も否定

2014年 12月 23日

グラッサフォステル

(12月)21日放送のテレビ番組でペトロブラス(PB)元社員から批判を受けた同公社のグラッサ・フォステル総裁は、同社員が行っていたと主張する内部告発について、「汚職が存在するなどとは言っていなかった」として反論した。23日付伯字紙が報じている。

PB元供給部部長のパウロ・ロベルト(ホベルト)・コスタ容疑者の元部下で同部課長だったヴェニーナ・フォンセカ氏が、グラッサ総裁をはじめとした上層部に不正の存在を知らせるメールを送っていたことをヴァロール紙に暴露したことは16日付本紙でも報じたが、そのヴェニーナ氏が21日、グローボ局の報道番組「ファンタスチコ」に出演した。

それによるとヴェニーナ氏は、「供給部での不正に気がついたのは2008年頃」と答え、その不正に関しては、当時ガス・エネルギー部の部長だったグラッサ氏をはじめ、多くの上層部に伝えたと語った。グラッサ氏に関しては「彼女がガス・エネルギー部の技術課長、私が供給部の契約課長だった頃からよく知っており、一緒にいることも多かった。不正などについても個人的に話をした」と語った。

これに関してはグラッサ氏本人も「ヴェニーナ氏から通信部門での件で最初に話を受けたのは2009年だった」としたが、それは供給部で5800万レアルの不正支出が発覚し、調査を受けたことに関しての話であり、「内部告発めいたことはしなかった」と答えている。また、ヴェニーナ氏との関係については「近い間柄ではなかった」としている。

また、ヴェニーナ氏は、ペルナンブッコ州のアブレウ・イ・リマ製油所の建設費の不成な高騰に関しても社内で警告を行ったと語った。

だがグラッサ氏は、同件に関し、「ヴェニーナ氏からのメールには”汚職”、”不正”、”カルテル”などにあたる言葉は一切出てこなかった」と否定している。

また、グラッサ氏は、ヴェニーナ氏が「希望もしていなかったのにシンガポールに派遣された」とされていることに反論している。

グラッサ氏によると、ヴェニーナ氏はまず2010年に大学院のコースの一環としてシンガポールに行き、その後、リオでの勤務に戻った後も、総裁になって間もない頃のグラッサ氏に「またシンガポールに戻りたい」と直訴したという。グラッサ氏は、ヴェニーナ氏がシンガポール時代に、グラッサ氏の13年の総裁としての年収を上回る年収を手にしていたことも指摘した。
 
一方、コスタ容疑者との関係に関し、ヴェニーナ氏は「もし私が絡んでいるのなら、今やっているような内部告発はしない」と番組内で語った。これに関しグラッサ氏は、ヴェニーナ氏がコスタ容疑者との人間関係に悩んでいる様子だったことは認めつつも、「コスタ氏は彼女のことを信頼し、供給部長になると同時に彼女を自分の補佐役にするなど、密に仕事をしていた」としている。

(記事提供/ニッケイ新聞、写真/Tomaz Silva/Agência Brasil)
写真は12月17日、リオデジャネイロ。グラッサ・フォステル総裁