サンパウロ市で今年5回目の公共運賃値上げ抗議デモ。またも一部の暴徒が警察と衝突

2015年 01月 29日

サンパウロ公共運賃値上げデモの警備にあたる軍警察

(1月)27日、サンパウロ市で今年に入って5回目の無賃乗車運動(MPL)のデモが起きた。

デモは2時間半にわたってマルジナル(マージナウ)・ピニェイロスを行進後、聖市西部のピニェイロス区ラルゴ・デ・バタタで平和裏に終わったが、その後、地下鉄ファリア・リマ駅構内でデモ隊の一部と軍警が衝突したと28日付伯字紙が報じている。

混乱はデモ終了後まもなく、デモの出発点でもあったラルゴ・ダ・バタタ脇のファリア・リマ駅構内で起こった。デモの参加者は軍警の発表では1千人だが、MPLは1万人と発表している。

デモ参加者の多くは地下鉄を利用して立ち去ったが、一部は改札前で駅職員に無料で乗せるよう騒ぎだした。

無賃乗車を拒まれたデモ参加者は警官や駅職員を「ファシスト」と罵り、一般客の利用も妨げたため、最終的に軍警突撃隊の介入が要請された。

デモ隊が投石したのを受け、軍警が催涙ガスを発射。満員の駅構内は煙に包まれ、利用客らは逃げ惑った。また、プラットホームに入ってきた車両の乗客は火事と見紛い、混乱状態で地下鉄から逃げ出した。

この騒動で、ファリア・リマ駅構内ではガラス4枚が割れ、照明一つが破壊された。警察はデモ参加者2人を逮捕した。

次のMLPのデモは29日午後5時から、Masp前広場で予定されている。

1月6日からの公共交通機関の料金値上げに対する抗議デモは、9日以降5回目を数えたが、サンパウロ州政府、サンパウロ市役所は学生に対する運賃免除プランも発表している。

運賃免除は義務教育課程と高校在学の公立校生徒全員と、世帯収入が一人当たり1.5最低賃金以下の公立、私立の大学生に認められる。当初報じられた48往復分というのは週6日授業がある学生や生徒が対象で、それ以外は1週間の通学日数に応じた往復乗車分が免除となる。対象となる生徒や学生は、SPTransサイトでの登録が必要だ。

(記事提供/ニッケイ新聞、写真/Rafael Neddermeyer/Fotos Públicas)
サンパウロでは1月9日以降、公共交通機関の料金値上げに対する抗議デモが5回行われている。写真は1月16日のデモで警備にあたる軍警察官