自家用車から子ども、パソコンにまで…幅広く使える小型追跡情報発信機、人気赤丸急上昇中
2015年 02月 1日ブラジル、特に大都市に住む人々にとって、安全対策は最も重要な投資項目の一つである。
そんな中、少ない投資で自分の財産を管理できるツールを販売し、大成功している起業家がいる。
TVグローボが番組「ペケーナス・エンプレーザス・イ・グランジス・ネゴーシオス」で2014年7月13日付で伝えたところによると、人、乗用車、トラック、バイク等々に手軽につけられる追跡用情報発信装置が、安全を求める市民の心をつかんでいるという。
ミシェウ・タバジュイアンスキ氏とヘナート・コー氏が立ち上げたスターブロック社が小型の追跡用情報発信装置の販売を始めたのは2011年。縦6センチ重量50グラムという小ささに加え、シンプルな操作性そして低い投資額が人気の秘密だ。
ユーザーの投資額はこの装置の購入代金330レアル(約1万6千円)のみ。他の類似サービス事業者は機器代金以外に月額利用料を課金するが、スターブロック社は月額課金しない。それが同社の競争力の要因だとコー氏は言う。
仕組みは至ってシンプルだ。通信会社を経由した衛星による位置認識方法を取っており、ユーザーは機械に通信カードを差し込み、電源を入れるだけだ。通信カードはどこの通信会社のものでも構わない。
装置からの信号は携帯電話で受信でき、装置が世界中のどこにあっても位置情報を特定できるという。この信号はあらかじめ登録しておいた5台までの携帯電話で受信できる。
装置には緊急連絡ボタンもついており、事故等に遭遇した場合に押すと、登録しておいた携帯電話にSOS情報が送られる。
スターブロック社は携帯電話だけでなく、ウェブサイトでも位置情報を確認できるサービスを提供している。ユーザー名とパスワードでログインし、現在の位置情報だけでなく移動の経路もパソコンで確認できる。複数の装置を使っている場合、300台まではすべての装置の場所・経路を表示できる。もちろん追加料金はなしだ。
この装置は韓国で製造され、ブラジルでは検品作業と販売を行っている。
ブラジルで製造したいのはやまやまだが、何せコストが高い。韓国で作った場合の2~3倍費用がかかってしまう。残念ながら競争力を維持するには現状では海外で製造することになる」(ヘナート・コー氏)
装置のバッテリーは充電式のものを使った場合、フル充電の状態で48時間持つ。
最近開発された自動車専用の装置は、少し大きめで小売価格490レアル(約2万4千円)。位置情報だけでなくガソリンの残量、バッテリーの状態に関する情報も送られる。装置はマグネット式で金属面であればどこにでもつけられ、電池は約60日持つ。
類似の商品で「ヴィヴァ・ヴォス」(生の声)と名付けられたものがある。こちらは車の中に仕込む小型のマイクで、車の中で話されていることを気づかれることなく携帯電話で聞けるという商品だ。
カー用品販売員は言う。「ここでは車両の盗難が多いからこの追跡装置を探しているお客さんは多い。車が見つからなくて『やられた!』と思っても、この装置がついていれば、今どこにあるのかすぐ調べることができる」
スターブロック社では月に2000台の装置をカー用品販売店等に出荷し、30万レアル(約1千5百万円)の売上を計上している。
「この技術は用途が多く、車、オートバイだけでなくペットや伴侶、子どもなど大事な家族やパソコン、携帯電話などの機械類の追跡にも応用できます」(ミシェウ・タバジュイアンスキ氏)
(文/原田 侑、写真/Reprodução/「Pequenas Empresas & Grandes Negócios」/TV Globo)
TVグローボの「ペケーナス・エンプレーザス・イ・グランジス・ネゴーシオス」は日本ではIPCTV(グローボ・インターナショナル)(080-3510-0676 日本語対応ダイヤル)で放送中