ブラジルの刑務所で、女性2人組が刑務官を酔わせて囚人27名を脱走させる

2015年 02月 10日

刑務官を酔わせて脱走させる

「信じられない話がおきました」という語り出しで2月6日(金)の早朝、TVグローボの早朝のニュース番組「オーラ・ウン」、朝のニュース番組「ボンジーア・ブラジル」がびっくりするようなニュースを伝えた。

ブラジル中西部マットグロッソ州にあるノヴァ・ムトゥン市(クイアバ市から269 kmにある)の刑務所から5日(木)から6日(金)の未明にかけて、囚人28名が堂々と正門から脱獄したという。

現在、警察は脱獄したうちの8名を逮捕しているという。

刑務所の正門から堂々と行われたこの珍しい脱獄は、刑務所内で刑務官まで一緒になって行われたパーティで盛り上がった後に行われたという。

これまでの調べによると、二人の女性が刑務官たちとプライヴェート・パーティをもちかけており、刑務官たちは誘惑され、アルコールを勧められて酔わされたという。最終的に刑務官たちは手錠をかけられ裸にされていた。警察の調べでは薬物は検出されていないという。

この大胆不敵な誘惑脱走計画は、同刑務所内に、脱走を手伝った女性の恋人がいて、その1名を脱走させるために今回のパーティ誘惑脱走計画を実行したものだった。

「この女性と友人の二人は鍵を手に入れ、刑務所の正門を開けてから、鍵を彼女の恋人であるひとりである囚人の男性に手渡しました。男性は自身が収容されていた房の扉を開け、さらに他の五つの房の扉を開けて脱走したかった全員を逃がしました」(アンジェリア・ジ・アンドラージ・フェヘイラ捜査担当官)

また、脱走した囚人たちは12口径のライフル銃を3丁、38口径のリヴォルヴァー拳銃を2丁、さまざまな弾薬を持ち出したという。うち、ライフル銃1丁は回収されたとのこと。

二名の刑務官と刑務所長は、結果的にまんまと脱走を手伝ってしまったことから逮捕され、起訴された。

「非常に珍しい事件ですが、深刻な事件です。法的手続きで解雇させることもできます」とマットグロッソ州人権局のマルシオ・ドレイロ判事は嘆いた。

ノヴァ・ムトン市には4万人弱の人々が暮らしている。軍警察が脱走した囚人たちの行方を追っている。

(文/加藤元庸、写真/Reprodução/Bom Dia Brasil/TV Globo)
写真はノヴァ・ムトン市の刑務所。「ボンジーア・ブラジル」より。「ボンジーア・ブラジル」はIPCTV(グローボ・インターナショナル)で放送中。視聴のお問い合わせは、080-3510-0676 日本語対応ダイヤルまで