デング熱の流行で、サンパウロ州で4都市がカルナヴァウを中止に
2015年 02月 8日TVグローボが2月7日、番組「ジョルナウ・オージ」で伝えたところによると、サンパウロ州でデング熱が大流行しており、同日の段階でブラジル全体での患者数は4万人達しているという。
疫病の流行を受けて、サンパウロ州内の4都市がカルナヴァルの中止を発表した。他にもデング熱の非常事態宣言を出したり、カルナヴァウ前後のイベントを中止する都市も増えている。
サンパウロ州内では水不足やデング熱の流行の理由から、今年1月の段階からいくつかの自治体がカルナヴァウの中止を公表していた。デング熱が理由でカルナヴァウを中止にするのはリメイラ市、カタンドゥーヴァ市、イタピラ市、ペナーポリス市。
サンパウロ州でデング熱による死者は5人となっており、デング熱によるものと疑われる死者が別に5人いる。2800人が感染した。
ブラジル国内で1月だけで40,916人の感染が確認された。感染者数が最も多いのは南東部で22,636人、全体の55%がここに集中している。他の地方は中西部が8,169人で20%、アマゾンのある北部が4,101人で10%、北東部が3906人で9.5%、南部が2104人で5.1%という分布になっている。
10万人あたりの感染者数で最も多いのはアクリ州の338.3人、次がゴイアス州の97.9人、マット・グロッソ・ド・スウ州の42.9人、サンパウロ州の40人と続く。
今年1月の感染者数は前年同期比で57%増加している。この急激な増加は去年の渇水以降、各家庭で不適切な形で水をためるようになったことに原因がある、とアルトゥール・キオーロ厚生相は言う。
「全国いたるところで水をためるようになって、その水に蓋も何もしていなかったりする。そういう状況では伝染病を媒介する蚊が増えやすくなり、デング熱蔓延のもとになるのです」(アルトゥール・キオーロ厚生相)
厚生省はすでにデング熱撲滅のために対応を始めている。サンタカタリーナ州では家を1軒ずつ回って、家の中に水たまりができないよう指導をしている。指導の途中、70%以上の家庭で家の中からボウフラが見つかった。
デング熱撲滅のための家庭指導は他の州でも始まっている。ゴイアス州のヴァウパライーゾ市では厚生省長自ら音頭を取り、植木鉢の受け皿など、たまった水は1週間以内に除去するなどきめの細かい指導を行った。
厚生省によると、現在のデング熱の発症数は1月の最も深刻だった時期から71%減少しているという。
(文/余田庸子、写真上/Reprodução/「Jornal Hoje」/TV globo、写真下/Fabio Rodrigues Pozzebom/Agência Brasil)
写真上は蚊の駆除作業の様子(「ジョルナウ・オージ」)、写真下はデング熱とシクングンヤ熱撲滅キャンペーンで民家をたずねたアルトゥール・キオーロ厚生相(中央)。「ジョルナウ・オージ」はIPCTV(グローボ・インターナショナル)で放送中。視聴のお問い合わせは、080-3510-0676 日本語対応ダイヤルまで