雨などでブラジル各地の川で水量が急増。アクリ州では洪水も
2015年 02月 20日連日のようにサンパウロ州をはじめ南東部の水不足の話題が報じられているが、そのサンパウロ州で今度は大雨による洪水が起きていると現地メディア(「G1」2月18日づけ)が報じている。
1月17日(火)の午後12時半ごろ、同州の内陸よりにあるピラシカーバ市では前夜から降り続いた雨の影響で、川の水量は毎秒17万8100リットルの流れとなったという。
サンパウロ州の水・電力局(DAEE)によると、雨自体は17日の朝8時半ごろには止んでいたが、同市を流れるピラシカーバ川は、雨が降り始めた前日の16日(月)の夜20時半よりも87.5%も水量が増していたという。平均水位は2.51メートルだった。
とはいえ、水位2.51メートルというのは氾濫の危険が及ぶほどではなく、むしろ、例年に比べると川の水はまだまだ少ないという。
ピラシカーバ川、カピヴァリ川、ジュヂアイー川コンソーシアム(PCJ)によると、ピラシカーバ川では今年になって2番目に多い水量を記録したことになるが、同じ時期の例年の平均水量(毎秒19万5000リットル)に比べると、水は少ないとのこと。今年最も水量が多かったのは一週間前、11日(水)で、同日の午前10字ごろに毎秒23万リトルの水量だった。
サンパウロ州の水・電力局(DAEE)によると、ピラシカーバ川の場合、水位が3.20メートルになると注意が必要となり、3.70メートルを超えると警報が出される。4.20メートルを超えると非常事態が宣言され、4.70メートルを超えると氾濫が起こるとされているという。
ところが雨などの影響でピラシカーバ川の水量は増え続け、翌18日(水)には警報が出される基準である4.20メートルを超える、4.32メートルになったと、18日づけ「G1」が伝えた。
サンパウロ州の水・電力局(DAEE)によると、ピラシカーバ川の平均水位は2.56メートル。水量が増加した前日の17日(火)に記録された2.51メートルと比べても72%の増量となっているとのこと。
一方、北部のアクリ州でも、アッシス・ブラジルを流れるアクリ川が19日(木)に雨のために増量、24時間以上もの間、平均で8メートルを超えたと同日づけ「G1」が伝えている。
18日(水)の水位は3.77メートルだったが、19日(木)の朝6時ごろまでには12.17メートルを記録したという。消防署員は被害にあった家庭の救助に動いた。
アクリ州防災調整局もまた、被害に遭った地域の復興作業を行う必要がある。同局カルロス・バチスタ局長によると、少なくとも10家族が家を失ったり、家を追われたたりしたという。避難所に避難した家族もあるが、その数は現時点ではまだわかっていない。
「アクリ川、およびシャプリ川流域にかなりの大雨が降りました。平均200ミリメートルの雨だったので、川の水はみるみる増水して、水位もどんどん上がっていきました。水はシャプリ川、ブラジリア川、リオブランコ川にも流れ込むでしょう」(カルロス・バチスタ局長)
(文/麻生雅人、写真/Agência de Notícias Acre)