6月28日、パウリスタ大通りに自転車専用道が開通
2015年 06月 29日6月28日(日)朝、サンパウロ市の目抜き通りであるパウリスタ大通りの自転車専用道が開通した。これまで同通りでは中央分離帯の両脇に週末のみ自転車専用となるレーンが設けられていたが、中央分離帯を改造して、自転車専用道路が設けられた。
幅4mの自転車専用道はニ方向用で、大通りの中央部分に設けられ、現時点ではオズヴァウド・クルース広場からアンジェリカ大通りまで、2.7kmのレーンとなっている。
しかしこの自転車道専用道は、祝福と抗議の二つの声で迎えられた。現地メディア「G1」が伝えている。
この日、自転車道の開通に合わせてパウリスタ大通りは朝10時ごろから夕方17時15分まで、サンパウロ市交通工学公社(CET)によって両方向とも車両通行止めとなった。
開通式典に出席したサンパウロ市のフェルナンド・アダジ市長は、自転車専用道はより良い人生の質のシンボルだと語った。
現在、市長が提案している毎週末(日曜日)のパウリスタ大通りの遊歩道化について質問されたジウマール・タット交通局長は、歩行者天国に関してはまだ調査研究中だと述べた。
「自転車専用道を設置した意図はパウリスタ大通りを自動車だけでなく、歩行者、動力を持たない車両を含むすべての人に開放するというものです」(ジウマール・タット交通局長)
解放されたパウリスタ大通りには、ジウマ・フセフィ(ルセフ)大統領やアダジ市長への抗議を叫ぶ人たちもいたため、アダジ市長は開通式典の会見の間、抗議の声にも直面することとなった。市長の支持者たちが、抗議グループに対して叫び声をあげて市長を擁護する一幕もあった。
抗議を叫んだ中のひとりであるエンヒッキ・ソウザさん(39)は、自転車道そのものに不満があるわけではないが、世論調査で大統領を積極的に支持すると回答した人が10%だった(ダッタフォーリャの2015年6月17日~18日の調査)ことを挙げて、大統領への抗議を訴えた。
とはいえ、この日パウリスタ大通りに集まったのは抗議のための人だけではない。数千人のサイクリスタが自転車道に集い、また多くの人々が歩行者天国を楽しんだ。
(文/麻生雅人、写真/André Tambucci/Fotos Públicas)
写真は6月28日、自転車専用道と、歩行者天国となったパウリスタ大通りで楽しむ人々。写真は次ページ以降にも掲載しています