パウリスタ大通りの自転車専用道、設置から1日。街の声は…
2015年 06月 30日パウリスタ大通りの自転車専用道が開通して丸一日が経った6月29日(月)、サイクリストたちが現地メディア「G1」に対してコメントした。
サイクリストたちによると自転車専用道のおかげで平均30%の時短が実現したという。また移動時間の利便性に加え、安全性が確保されたという声もあった。
市の西部ラパ地区から旧市街区(セントロ)のパウリスタまで通うカルラ・カロリーナ・ペレイラさん(香水コンサルタント、29)も、家から職場まで安全に移動できるようになったと語る。
「私は17kmを1時間かけて自転車を運転しますが、私の前に立ちはだかるものも飛び出してくるものもありませんでした。約15分時短になります」(カルラ・カロリーナ・ペレイラさん)
トリアノンの家からヴィラ・マリアーナ地区にある職場まで自転車で通っているというマリアーニ・セロンさん(心理学者、34)さんも、時短についてのメリットを語った。
「超、安全で、超、快適、そして健康的。自転車で車道を走ると車との接触が危険だし、舗道を走ると歩行者との接触が危険です。自転車専用道はこれらの悩みを解決してくれました。自転車をこいでいる時間は30~45分以下になりました。地下鉄を利用するよりだんぜん早く着きます」(マリアーニ・セロンさん)
またマリアーニさんは、自転車専用道ができたおかげで新しい習慣をはじめることができたという。その習慣とは、音楽を聞きながらの自転車の運転だ。車の間を走っているときにはできなかった。
パライーゾからジゼーリ・コウチーニョさん(デザイナー、33)も通勤に自転車専用道を利用した。
「今日は最高。だんぜん早いですよ。歩道を走っていたときは自転車を降りて歩かなければならない場所もありますし、車道でバスとスペースを奪い合わなくてもよくなりましたからね。35分かかっていたのが20分でつくようになりました」(ジゼーリ・コウチーニョさん)
この月曜の朝、パウリスタ大通りの自転車専用道は大勢の人に利用されたが、スペースは、通勤で利用していると思われる人、商品などの運搬で利用している人、スケートボードを使う人によって民主的に利用された。
ジョゼー・カルドーゾさん(肉屋店員、41)はレストランに食肉を運ぶ際に便利になったという。
「毎日、荷を運んでいますが、これまでは人が入る中を進まなければなりませんでした。通行人を引いてしまったり怪我をさせる可能性がありました。今は危険がなくなりました。そして配達時間を短縮することができました」(ジョゼー・カルドーゾさん)
自転車専用道ができたために道路の右端にあった自転車道がなくなり、自転車に気をつけなければならなかったバスの運転手の負担も軽減した。2014年10月にパウリスタ大通りでは、自転車で走行していた男性がバスにはねられ死亡する大事故が起こっている。
一方、パウリスタ大通りの交差点の境界線や中央分離帯について、歩行者の中からは不満の声もあがった。
「勘弁して欲しいです。自転車とぶつかりそうになったんですよ」(カミーラ・オカダさん)
自転車専用道のために中央分離帯を拡げたことで、パウリスタ大通りは車線数は変わっていないが、道路の幅は狭まっている箇所もある。バスレーンの幅は3.5mから3.3mに狭まった。エンヒッキ・レモスさん(バイク急便ドライバー、29)は、道路が狭くなったことで事故が起きやすくなると不満を語った。
パウリスタ大通りの中央分離帯に作られた自転車専用道はオズヴァウド・クルース広場からアンジェリカ大通りまでの間、2.7kmが開通。自転車道は幅4mで、両方向の自転車車線がある。また、このエリアは車道より18cm高くなっている。専用道は約6か月かけて作られ、工費は1220万ヘアイス(約4億8千万円)かけられた。
(文/麻生雅人、写真/André Tambucci/Fotos Públicas)