7月のブラジル人の海外での支出、過去5年の同月の記録で最低に

2015年 08月 25日

海外支出減

ブラジルでは7月は、学校の冬休みの時期にあたり、それに合わせて休暇シーズンとなる。しかし、今年の7月は、ブラジル人による海外での支出は低かったと現地メディア「G1」(8月25日づけ)が伝えている。

25日にブラジル中央銀行が公表したデータによると、16億7000万USドル。これは同じ7月では、2010年に記録した15億3000万USドル以来の低い数字だという。

24億1000万USドルだった昨年(2014年)の7月からは30.5%のダウンとなっている。基本的に、ドル高になると海外での支出は減少するが、7月は10.1%のドル高で、1USドルが3.42レアル(ヘアイス)だった。2015年の1月~7月の間には、約29%のドル高となっているという。

ドル高は旅行者にとって、買い物の際の商品の価格だけでなく、外国の通貨で設定されたホテル代、クレジットカードやデビッドカードでの支出などにも響く。

また海外での支出の減少には、為替の問題だけでなく、金利上昇によるローンの負担増や、ガソリン代、化粧品、飲料などの増税、インフレなど、家計が圧迫されていることも影響しているとみられている。銀行の金利は高く、家計の負担は大きい。

同じく中央銀行の示したデータによると、ブラジル人の海外での支出は、今年の最初の7カ月のトータルだと、116億1000万USドルとなり、148億5000万USドルだった昨年(2014年)と比べ21.8%のマイナスだったという。ちなみに最初の7カ月のトータルは2010年の85万8000USドルだった。

(文/麻生雅人、写真/Fernanda Carvalho/Fotos Públicas)