ブラジルは、ラジオのサッカー解説が芸術的

2015年 12月 8日

アトレチコ・ミネイロ

ブラジルではサッカーの実況中継をラジオで良くやっています。車を運転しながら、たまに聞く機会があるのですが、テレビの実況中継とは違う面白さがあります。

ラジオの場合、テレビと違って映像がないので、解説者のしゃべりが情報の全て。テレビだったら、現在ボールを持っている選手の名前を言えば、視聴者は今何が起こっているのかを目で理解できますが、ラジオの場合には、その選手が何をしたのか、どこにいるのか、他の選手との位置関係はどうなのかというのを全て言葉で説明しなければなりません。

試合の流れる時間はテレビとラジオで一緒なので、ラジオ解説者は短い時間の間に多くの情報を詰め込まなければならないのです。

そんな違いがあることから、ブラジルに来てはじめてラジオでサッカーの解説を聞いた時には、なんじゃこりゃーと驚きました。

解説がとても早口なんです。いかに短い時間の間に音を詰めるかというのを突き詰めていくと、このような喋り方になるのだと思います。

もはや、長音符をほとんど使用せず、リズミカルに音を刻んでいきます。早口ではあるのですが、抑揚があって不思議と大体何を言っているのかは理解できます。しかも、聴いているだけでスタジアムの興奮が伝わってきます。下に、サッカー中継の醍醐味が伝わるyoutubeを記しておきます。

こちらの解説は、ゴールした時の息の長さが凄いです。真似したら腹式呼吸の良い練習になるかも。

ゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーウ!

(文/唐木真吾、写真/Bruno Cantini/Clube Atlético Mineiro)
写真は12月6日、ベロオリゾンチ。ブラジレイラォン(ブラジル全国選手権)でのアトレチコ・ミネイロ対シャペコエンセ戦

著者紹介

唐木真吾 Shingo Karaki

唐木真吾 Shingo Karaki
1982年長野県生まれ。東京在住。2005年に早稲田大学商学部を卒業後、監査法人に就職。2012年に食品会社に転職し、ブラジルに5年8カ月間駐在。2018年2月に日本へ帰国。ブログ「ブラジル余話(http://tabatashingo.com/top/)」では、日本人の少ないブラジル北東部のさらに内陸部(ペルナンブーコ州ペトロリーナ)から見たブラジルを紹介している。
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