2016年オリパラの舞台、リオ州の財政赤字は約3800億円に。医療で非常事態宣言も
2015年 12月 27日ブラジルの各都市が疲弊している。
12月24日づけのブラジルの有力紙「エスタード・デ(ジ)・サンパウロ」で、16年オリンピック・パラリンピックが開催されるリオデジャネイロ州のペゾン(ペザォン)知事が、リオ州の金庫にはもうお金がないと述べている。
15年のリオ州の財政赤字は120億レアル(約3800億円)に達する見通し。職員の給与も遅配している状況だ。
さらに24日、リオ州政府が医療における非常事態宣言も行った。なんと納入業者への未払いが14億レアルに上り、公立病院から薬や治療道具が消え、完全にまひしている。さすがに連邦政府が動いたようだが、オリンピック予算は確保しているとはいえ、開催地元の社会インフラに暗雲が垂れ込めている。
サンパウロの風物詩にもなっていたパウリスタ大通りをまたいで作られる巨大クリスマス装飾も、ついに今年はスポンサーが集まらず中止となってしまった。
最後の最後まで、今年のブラジルは、政治も経済も閉塞感漂う1年であったが、投資家には買い時に映るようで、連日欧米企業や中国がブラジル企業への投資を加速させている。外資系企業にとっては、ある意味絶好の投資チャンスであり、来年は安くなったブラジルのさらなる買収合戦が見られそうだ。
(文/輿石信男(クォンタム)、記事提供/モーニングスター、写真(上)/Tomaz Silva/Agência Brasil、写真(2番目)、(下)/Fernando Frazão/Agência Brasil 、写真/
写真はリオデジャネイロ。(上)12月25日、リオ州立ジェトゥーリオ・ヴァルガス病院。現地メディア「G1」(25日づけ)によると、約3億レアルの支援を受けてリオデジャネイロ州の病院や産院のサービスは通常の状態にもどりつつあるという。(2番目)12月23日、連邦政府への支援を要請するルイス・フェルナンド・ペザォン州知事(左)。(下)12月24日。連邦政府厚生省からリオ州政府に届けられた医療関連物資