脱税容疑のネイマール、ヘリコプターも資産凍結対象に
2016年 02月 27日スペイン、ブラジル両国のサッカー界を揺るがしているネイマールの脱税容疑に関し、続報が入った。
ブラジル現地紙「オ・グローボ」が2月26日づけで報じたところによると、ブラジルの国立民間航空機局(ANAC)は裁判所命令に基づき、ネイマール選手が実質的に所有するヘリコプターを資産凍結の対象としてANAC管理下に置いたとのことだ。
これはネイマール選手に資産を売却・移動させないための措置だという。
ヘリコプターはネイマール選手の会社が2013年に購入し、会社名義で保有されている。ユーロコプター・フランスから購入された定員6名のもので、購入推定価格は380万ドル(現在のレートで約4億3000万円)とされる。
2月15日、サントス連邦裁判所第7法廷で事件を担当するホベルト・ダ・シウヴァ・オリヴェイラ判事は第3地域連邦裁判所の資産差押命令を公表したが、ヘリはこの差押対象資産リストに入っていなかった。
今回の裁判所命令が出たことでネイマール選手は物理的にヘリを動かすことができなくなった。しかしながら、厳密には、ネイマール選手の租税債務が減免されないことが確定し連邦裁判所から次の差押命令が出るまでは、ネイマール選手が処分権を持ち続ける。
なお、ネイマール選手の現時点の租税債務は本税・重加算税・延滞税を含めて1億9287万レアル(約57億8千万円)にのぼる。
ブラジルサッカーのナショナルチームを率いたネイマール選手は、2011年から2013年にかけて行われた6360万レアル(約19億円)の租税回避行為で告発されている。告発内容は主にサントスからバルセロナへの移籍金に絡む脱税容疑だ。
ネイマール選手の弁護士、グスターヴォ・シスト氏は第3地域連邦裁判所に控訴し、必要ならば連邦最高裁判所まで上告する意思を伝えている。
(文/原田 侑、写真/Reprodução do YouTube)
押収されたネイマールのヘリコプター。NMJ(ネイマールジュニオール)のアルファベットが記されている