リオ・オリンピック・パラリンピックを 目前にして…懸念と期待(最終回)
2016年 07月 3日パラリンピックでは、世界的なスーパースターがいる。ロンドン五輪で自由型、背泳ぎ、バタフライの6種目に出場してすべて金を獲得した水泳のダニエル・ジアス。今大会でも、金メダル量産が期待される。
地元出身のアンドレ・ブラジルも、過去二度の五輪で金4個、銀2個を獲得しており、自由型とバタフライでメダル獲得を目指す。ロンドン大会で金2個を獲得した陸上のテレジーニャ・ギリェルミーナも前大会以上の成績を狙っている。
ブラインドサッカー5人制では、過去3大会ですべて優勝している。エース・リカルドが得点を量産して勝ち進めば、国中が沸くはずだ。7人制は前大会で銀メダルで、5人制と共に頂点を目指す。
ブラジルでは、人気がサッカー、バレーボールなど一部の競技に偏っており、その他の “ マイナースポーツ ” のチケットがまだかなり残っているようだ。とはいえ、スポーツのビッグイベントが盛り上がるかどうかは、開催国の選手の活躍によるところが大きい。
大会序盤にブラジル選手が活躍してヒーロー、ヒロインが出現すれば、国中が五輪一色となりそうだ。ブラジルは世界でも指折りの親日国で、どの競技でも日本選手が出てくると盛大な声援が送られるはず。そのことは、会場に足を運ばなくとも、テレビ画面からでも十分伝わるにちがいない。
この大会を通じて、ブラジルの長所と課題を知ると同時に、人々の明るさ、懐の深さ、そして日本と日本人への特別な親愛の情を再確認してほしい。
(文/沢田啓明、記事提供/ブラジル特報(日本ブラジル中央協会)、写真/Tânia Rêgo/Agência Brasil)
2015年9月8日、バーハ・ダ。チジュッカ地区でお披露目されたアレーナ・フトゥーロ(未来アリーナ)にて、パラリンピックのマスコット「トン」とゴールボールの選手たち
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