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ブラジルへの移民流入、10年間で160%増

ハイチ 移民 多い ブラジル

「この状況を最もよく表しているのは労働市場で、移民の潮流をはかる指標となっています。ブラジルがちょうど国際的にも注目を浴び始め、働き口も増えつつありました」(ヴィレン氏)

その間、失業率は2ケタ台から1ケタ台、4.3%にまで下がり、ブラジル地理統計院(IBGE)始まって以来の低水準を記録した。この状況でブラジルは、外国人から見て仕事を得て新しい人生を踏み出す場所としての魅力を高めた。

経済危機と失業率が高くなった現在(2016年)では、ブラジルは以前ほど魅力的な選択肢ではなくなったものの、ヴィレン氏によれば、他国も経済危機の影響を受けていて、状況はさほど変わらないという。

「現在我々が生きている世界は複雑で、見る視点によって解釈が変わります。例えばハイチやアフリカ諸国の人々にとっては、厳しい移民制限政策をとるヨーロッパやアメリカ合衆国と比べると、ブラジルはよりよい選択肢に見えるのです」(ヴィレン氏)

ハイチからの移民の場合、大量の移民が押し寄せ始めたのは2010年の1月からで、ちょうど、ハイチで30万人が死亡した大地震が起こった直後だった。

「ブラジルは、人道的配慮に基づくビザを発給できるかどうかに関わらず、ブラジルへの移民流入に便宜を図るべく国際的な役割を負っていたため、ハイチからの移住者を受け入れることになりました」(ヴィレン氏)

ハイチからの移住者は難民という位置づけではないにも関わらず、特別措置法に基づき、労働者手帳のようなブラジルでの市民生活に必要な書類を早く入手できる。身分証明書等の申請書類は、全国難民評議会(CONARE)や全国移民協議会(CNIG)に提出される。

CONAREとCNIGは人道的見地から申請者が定住場所を早く見つけられるような支援を行う。ハイチ人の場合、申請書類はたいていの場合受理され、速やかに手続きが進められる。

ボリビア人はブラジルとメルコスールの協定にそって受入れが進められる。協定は域内の人の移動に関する手続きの簡素化を定めており、アルゼンチン、パラグアイ、ウルグアイ、ベネズエラ、ボリビア、チリ、コロンビア、エクアドル、ペルーの各国とブラジルの間の人の移動に適用される。

ヴィレン氏は、労働市場は移民をブラジルに呼ぶ要因とはなっているものの、もっと大きな要因として、ブラジルという国がそもそも移民で成り立っていて、今も移民が国の変貌を支えている点をあげている(次ページへつづく)。

(文/原田 侑、写真/Jaelson Lucas/SMCS)
写真は2014年11月11日、パラナ州クリチーバ市。連邦警察によると2014年、クリチーバ市が受け入れたハイチからの移民は2500人で、4000人のハイチからの移民が暮らしていると推定されていたという

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