サンパウロのインディー書籍市「フェイラ・プラーナ」東京に上陸
2016年 09月 18日「The Tokyo Art Book Fair (TABF)2016」会場では、「フェイラ・プラーナ」とゆかりの深いブラジル人アーティストの展示会やインスタレーションも開催された。
ゲストカントリーエリアの入口で展開されているのが、アーティスト、ファビオ・ジンプレスとジャカによる「デゼーニョマチッキ展」。このコンビはブラジルにおける「デゼーニョ・テヒーヴェウ(ひどい絵)」の先駆者だという。
同店時の前では、大きな赤い帆布の上にさまざまな独立系出版作品を展示された。
「この展示では、現在のブラジルの政治状況の中で、我々ブラジル人がどのように生活しているかを表現した作品が並んでいます。前大統領が罷免されたことで、現在ブラジルの社会はとても微妙な状況にあるため、現在、自由な表現が許されている独立系出版にかかわるアーティストは、この問題に触れざるを得ないのです」
「フェイラ・プラーナ」が用意したパンフレット(日本語翻訳つき)にも、現在のブラジルにおける政治的な問題もとりあげられている。パンフレットの表紙は、ブラジル国旗の図章を赤と白の2色で表したものとなっている。そこにはふたつの理由が込められており、ひとつは日本の国旗への敬意、もうひとつは政治的な選択肢としての色だという。赤は罷免された前大統領の政党のカラーだ(次ページへつづく Continua na página seguinte)。
(写真・文/麻生雅人)
写真上、ファビオ・ジンプレスとジャカによる「デゼーニョマチッキ展」の一部。ジャカは「ブラジルカルチャー図鑑」(スペースシャワーブックス)にて紹介されている
写真中、ブラジルの国民的まんが「モニカの仲間たち」のキャラクターを題材にしたカリカチュアアート
写真下、「The Tokyo Art Book Fair (TABF)2016」のために「フェイラ・プラーナ」が制作した日本語によるパンフレット