ブラジル南部で大雨による甚大被害

2016年 10月 18日

サンタカタリーナ州トゥバォン市暴風雨

TVグローボが10月18日(火)、報道番組「ボン・ヂーア・ブラジル」で報じたところによると、16日(日)から17日(月)にかけてブラジル南部に降った大雨が、同地方に甚大な被害をもたらしているとのことだ。

ブラジル南部といえば、農業・牧畜が盛んで、農畜産物の一大生産地。この地域の天災は消費者物価指数の高騰に直結するといわれている。

南部リオ・グランヂ・ド・スウ州だけでも38市町村で川の急激な増水で橋が流されたり、堤防が決壊するなどの被害が報告されている。

同州パンタノ・グランヂ市では洪水で400家族が孤立し、市は非常事態宣言を出した。市民自衛団によると、州内で1000軒近くの家が浸水したという。

また、大雨のため、州内で少なくとも3つのバスターミナルが閉鎖されている。

同じく南部サンタカタリーナ州では大雨で死者が2名出て、暴風雨に見舞われた同州トゥバラゥン市は緊急事態宣言を出した。現在、3万5000人が停電の中での生活を強いられている。

同州西部サン・カルロス市では17日、落雷による農業生産者1名の死亡が確認された。

同州南部では休校が相次ぎ、1万2000人の生徒が授業を受けられない状態。沿岸部の市民自衛団によると、暴風雨によって発生した異常高潮がバウネアーリオ・ヒンカゥン市の市街地にまで到達したという。市内からさらわれた2台の車が先ほど海から引き揚げられた。

市内の多くの人たちは現在、家の中や店にかろうじて残ったもので生活を立て直そうとしている。

(文/原田 侑、写真/Anderson Martins/Coordenador regional de Tubarão SDC SC)
写真は10月18日、暴風雨に見舞われたサンタカタリーナ州トゥバォン市