スーパームーンの代わりにサンパウロに現われたのは…

2016年 11月 16日

アントノフAN225

11月14日(月)、世界はスーパームーンの接近に沸いた。が、68年ぶりの天体ショーは東京と同様、サンパウロでも雲に妨げられた。

同日、スーパームーンに代わってサンパウロの夜空を飾ったのは、世界最大の航空機、アントノフAN-225だった。

TVグローボが11月15日、番組「ボン・ヂーア・ブラジル」で伝えたところによると、機体は現地時間14日23時ごろ、サンパウロのグアルーリョス国際空港上空に姿を現した。

夜中にもかかわらず多くのサンパウロ市民が空港に詰めかけ、機体は特に空港職員から熱烈な歓迎を受けた。

世界最大の航空機であり、貨物輸送専門のアントノフAN-225がサンパウロに着陸したのはこれが2回目で、前回は2010年だった。今回の着陸のため、空港は1か月かけて200人態勢で準備を整えたという。

貨物は機体の船首部分が上に開き、そこから貨物を積み込む構造になっている。機体中央部には22個の車輪があり、最大積載量250トンの貨物の着陸に備える構造になっている。

機体は155トンの貨物を載せてサンパウロを離陸したのち、チリに向かうという。

アントノフAN-225は1980年代、旧ソ連時代のウクライナで宇宙開発事業用に製造されたが、ソ連崩壊とともに運用が停止された。引退状態になっていたところ、2000年に国際商用貨物輸送機としてリフォームされ復帰した。

(文/原田 侑、写真/Reprodução/Bom Dia Brasil/TV Globo)
写真は11月14日、サンパウロ、グアルーリョス空港。「ボンジア・ブラジル」より。日本ではIPCTV/グローボインターナショナル(スカパー 514ch)で放送中