リオ・オリパラから半年。オリンピック村はゴーストタウン!?

2017年 02月 8日

オリンピック村 リオ

アクアティックセンター近くでは、地面に敷き詰められたブロックの随所に隙間や割れ目ができている。

世界的なブラジル人現代芸術家アドリアーナ・ヴァレジャゥンの作品が印刷されたパネルは破れたまま放置されている。センター内の建物の中では天井からぶら下がった電線やケーブルが随所に見られた。

リオ市とメンテナンス契約を結んだM社いわく、メンテナンスを請け負ったのはカリオカ・アリーナ1~3とテニス用設備、アクアティックパークと競輪場だけで、アドリアーナ・ヴァレジャゥンの作品の管理や修復は契約には入っていないとのことだ。

前市長のアドバイザーによると、オリンピック村維持管理の入札はすでに2度行われたが、応札者がいなかったため、M社と緊急に契約を締結したという。

スポーツ振興省によれば、アリーナの撤去は市の責任の下に行われるものであるため、省では市がいつどのように何をするかはわからない、という。

オリンピック村 リオ

次官レベルからは、水がたまったままのプールについては保護シートがかけられるとの発言があった。リオ市によると、プールは計画されていた8月より前に撤去されるとのことだ。

マルセロ・クリヴェーラ現市長によってオリンピック村は市民のレクリエーションの場所として開放された。クリヴェーラ市長はオリンピック村を市民に開放する当日、このような談話を発表した。

「リオ市民はこの場所をとても美しい場所だと思うことでしょう。神が作った山々、湖などこの美しい風景を。私はすべての市民をこの場所で歓迎し、市民の皆様が設備を存分に利用してくれることを期待しています」(マルセロ・クリヴェーラ市長)

市民に開放してから2週間たったが、現場は市長の思い描いた通りにはなっていない。オリンピック村には相変わらずひとけがない。

散歩をするにしても、注意深く歩く必要がある。地面から石が出っ張っていたり、街路樹の根元のスペースには水がたまったままになっていて、鳥が水を飲みにやって来ている。が、蚊やボウフラが発生し放題の状態だという。

「水を飲める場所が全くないんです。この暑い中、水飲み場もないなんて、誰もきやしませんよ」(体育教師、パーソナルトレイナーのアレックス・バルボーザさん)

(次ページへつづく)

(文/原田 侑、写真/Reprodução/Jornal Nacional/TV Globo)
写真は、TV Globoの報道番組「ジョルナウ・ナシオナウ」より、破れたままのアドリアーナ・ヴァレジャゥンの作品パネルと、取り外されたまま屋外で雨ざらしになっているアリーナの観客席の椅子。TVグローボ系列の番組はIPCTV(グローボ・インターナショナル)で放送中。視聴の問い合わせは、080-3510-0676 日本語対応ダイヤルまで