悪化するリオの治安
2017年 01月 28日今、インスタグラムの投稿メッセージを書いていたら、外から「ギャーーー!!」っていう叫び声が聞こえてきました。
慌てて窓にかけより部屋から通りを見下ろしてみたら…。家の柵の前に、人だかりができていました。誰かが路上で強盗に遭ったようです。
4人家族で、おばあちゃん、お母さんにちいさな娘2人。おばあちゃんが倒れていました。
でも、一瞬で人が散って人だかりはなくなり、何事も無かった様になってしまいました。強盗が日常茶飯事過ぎて、周りも麻痺してる状態なのだと思います。
おばあちゃんはカバンを盗られそうになって強盗に引きずられたようで、足から血が出ています。門番さん2人がおばあちゃんのケアをしてあげて、足の血を洗って、お水飲ませて落ち着かせてあげていました。
状況を知りたくて下まで降りて話を聞いてきました。
犯人は10代の黒人の男の子で、カバンは盗れなかったけど、レイバンのサングラスを持って走って逃げたそうです。レイバンのサングラスなんて、この国では偽物がありふれているのに…。
おばあちゃんは、特に綺麗な格好をしているわけではありません。家族で海に行くところだったのでむしろラフな服装で、バッグもビーチ用でした。
ネガティヴな事はあまり書きたくないのですが、実情も知ってほしいので最近の治安の話を書こうと思います。
実はこの数日の間に、3件の強盗と強盗未遂をまじかで見ました。
一昨日、バスに乗ろうと待ってたら「泥棒! 泥棒だーー!!」と周りが騒わがしくなった…と思ったとたん5~6人の10代の子どもたちが走ってこっちに来ました。
おそらくものを盗んだ直後だったのだと思いますが、私も怖くなって、心臓をドキドキさせながら強盗集団と逆方向に走って逃げました。
昨日はサウゲイロのエンサイオ(練習)に行くためにサウゲイロの地元でバスを待ってたら、10代くらいの男の子が3人いました。
あの子ヤバイ! のレーダーは流石に培われているので、私には獲物を探して歩いてるように思えました。
そしたらやっぱり…バスの後ろの扉が開いたのを見計らって、男の子は片足だけバスにつっこんで乗客の携帯を狙ったけど盗りそこねて…。
強盗に失敗した男の子はバスから降りて、扉を蹴ったあと、なんとこちらに向かってきました!!
固まって怖くて心臓飛び出るかと思った。
日本人は目立つから目に止まっちゃうのかな…あー今カバン盗られたらカード止めなきゃ…でも現金はほぼないし…でもサウゲイロに必要な物も無くなっちゃうから厄介だな…といろいろな思いが頭の中でよぎる中、周りに居たおばちゃんたちととソーッとその場を移動して息を殺していたら、スルーして向こうへ行ってくれました。
でも、その数分後には、日常に戻ってる。強盗とかひったくりとか日常過ぎて麻痺してる。
おかしいよー、今のリオ。
夜は、なんだろう、もう私の中ではゾンビ映画みたいなイメージになっていて。暗くなってから一歩でも外へ出るときは、いつやられるか分からないと思いながらで。相当警戒して生活してます。
海側だからとか、山側だからとか今のリオは一切関係なく危ないと思う。こんな連日で強盗見るのは、10年以上リオに来ていてあまりなかったこと。本当に!
警察も中々見ないし。
ただ、純粋にサンバの修行がしたくてリオに来ているのに、身の危険を感じながら集中させてもらえないこの状況、なんだか辛いです。
大好きなリオなのに。素敵な所も山ほどあるし。
私が人生をかけたサンバ、大好きなサンバがここにあるのに。
やるせない。
日本から来られるみなさん、危険な事もあるということを肝に命じて、用心して、用心し過ぎるぐらいで丁度いいと思います。それで何もなかったら良かった、というくらいで。
脅かす様なネガティヴな話題になってしまいましたが、これも今のリオの実情。
私も、自分の事件を思い出したり、さっきのおばちゃん見て今ちょっと落ち込んでますが前向きに頑張ります!
(文/工藤めぐみ、写真/Fernando Frazão/Agência Brasil)
写真は1月15日、コパカバーナ海岸。団体「警官SOS」が犯罪の犠牲になる警察官が増加していることへの抗議で、ビーチに十字架や倒れた警官を表わす人形などを置くパフォーマンスを行った。同団体によると2017年に入り11名の軍警察官が命を落としているという