2017年 04月 29日 00:50
前リオ州知事カブラウ夫妻からの押収財産は賄賂で購入した豪邸、数々の宝石貴金属類・美術品、ヨット1台。マンハッタン号と名付けられた豪華ヨットは2007年、500万レアル(約1億7000万円)で購入されたものだ。
ヨットは2016年11月、ラヴァ・ジャット作戦の「カリカット」フェーズで押収され、当初は事業家パウロ・マガリャィンス・ピント氏の持ち物だと考えられていた。その後、様々な証言や連邦公共省検察官の調べにより、ヨットはカブラウ氏のものであることが判明した。
カブラウ氏の財産でリオ州南部マンガラチーバの高級マンションも裁判所に差し押さえられており、これも競売の対象になる予定だ。
前州知事は現在7件の起訴事由に基づいて連邦裁判所第7法廷で裁判にかけられている。主なものは共謀、資金洗浄、収賄、横領などだ。2014年のワールドカップ、2016年のオリンピック・パラリンピックに向けて行われたリオのマラカナン球場改修工事における不正入札、横領も起訴事由に含まれる。
マラカナン改修工事の入札額は7億レアル(約240億円)だったが、実際の工事費は12億レアル(約410億円)を超えていた。ここにはカブラウ氏の横領スキーム経由で同氏の懐に入った額も含まれると見られている。
カブラウ氏の幼馴染であるカルロス・ミランダ氏は、連邦公共省いわくカブラウ氏の犯罪の実行犯だった。賄賂の運搬もカブラウ氏から任されていた。ミランダ氏はリオ市から140キロメートル離れたところにあるトレス・イルマゥンス農場の持ち主だ。リオ連邦裁判所はLRG社の口座の資金、約700万レアル(約2億4000万円)を凍結したが、その口座の名義は同農場の管理人となっていた。
ラヴァ・ジャット作戦の「エフィシエンシア」フェーズで2017年1月末に収監された大富豪アイキ・バチスタ氏は、連邦公共省によると、カブラウ氏に1650万ドル(約18億1500万円)の賄賂を贈ったという。
(次ページへつづく)
(文/原田 侑、写真/Divulgação/Polícia Federal)
写真は2016年11月、贈収賄捜査「ラヴァジャット」作戦の一環で行われた「カリカット」作戦で押収されたセルジオ・カブラウ元リオ市知事の船舶
■関連記事
・リオオリンピック誘致でIOC幹部に賄賂か?
・ルーラ前大統領が公式に捜査対象に。国際的な事業契約でブラジル企業の便宜図る?
・カブラウ前リオ州知事、W杯などの公共工事関連の汚職容疑で逮捕
・ペトロブラス収賄、故エドゥアルド・カンポス氏、与党議員も関与か
・ラヴァ・ジャット作戦、新たなフェーズへ。4人の元下議を含む13人を起訴。汚職企業の資産の凍結も