ザ・ボディ・ショップの買収に名乗りあげるブラジルの大手化粧品メーカー、ナトゥーラとは

2017年 06月 11日

ナトゥーラ

ブラジルは世界有数のコスメ・トイレタリー市場。一人あたりの消費額も常に世界トップ10内にあるが、競争も激しい。

ナトゥーラは1969年、現在の大株主でもあるルイス・セアブラ氏によってサンパウロで設立されて以降、天然素材を使った商品ラインナップがブラジルで根強い人気を誇っている。

設立以降、店舗を持たず、訪問販売員による直販スタイルで事業を伸ばし、一時期国内市場の半分を占めていたが、ライバルの出現・勢力伸長によりシェアを下げつつあった。

ナトゥーラ

2016年、実店舗による販売を開始し、以後、ブラジルの国際空港にも積極的に出店。実店舗を拠点に若者、国内富裕層及び海外顧客へのアピール力を高める営業戦略に転換した。

同社グループの第1四半期連結純利益は1億8900万レアル(約66億円)だった。税効果と経費削減努力により、前年同時期の6900万レアルの損失から大きく盛り返した。営業戦略では、今年第1四半期にサンパウロ市及び近郊を含めた大サンパウロ圏のショッピングセンターにある10店舗を閉鎖し、より選択的な店舗運営を行う姿勢を見せている。

ナトゥーラによると、日本を含む世界66か国でブランド展開するボディショップの買収により事業リソースは格段に増えるとのことだ。

現在の訪問販売員180万人に加え、従業員含む業務委託先が1万7000、店舗が3200(うちブラジルが109店舗)、商品ラインナップは2000種類それぞれ増加する。財務面では115億レアル(約4025億円)売上の増加が見込まれ、これは現在のナトゥーラグループの売上の45%にあたるという。

(文/原田 侑、写真/Divulgação)
写真上はナトゥーラの研究所