ブラジルの化粧品会社、レイプを連想する商品のネーミングで炎上

2015年 10月 15日

私をいたぶって

セクシーな女性に似合う、刺激的な一言を商品名にしている化粧品は世に多くみられるが、やりすぎると手痛いしっぺ返しが待っているのは、ブラジルも同じようだ。

グローボ系ニュースサイト「G1」が10月9日付で報じたところによると、ローラ化粧品(Lola Cosmetics。以下「ローラ社」)が消費者からの非難を受けて同社の2商品について改名することにしたという。

消費者からの非難を浴びているのはローラ社のメイク落とし「ボア・ノイチ・シンデレラ(Boa Noite Cinderela おやすみ、シンデレラ)」と口紅「アブーザ・ヂ・ミン(Abusa de Mim 私をいたぶって)」。

ブラジルでは「おやすみ、シンデレラ」は、お酒などに薬物など混入し、それを飲んだ相手を無抵抗にさせる昏睡強盗に使われる薬物の俗称。レイプ事件に使われることで社会問題にもなっている。

これらの商品名は女性が暴力を喜ぶかのような誤解を招く、としてSNSなどで消費者からの非難が殺到している。

ローラ社の広報は結果として世間を騒がせてしまったことに謝罪をし、消費者に敬意を示すような商品名に改名する、と述べた。また、対象の2商品はまだ流通前の段階とのことだ。

「当社は今の時代にマッチした冒険心のあふれた商品を提供しています。それが行き過ぎて不適切な名前を選択してしまいました。当社は女性によって設立されており、女性に不愉快な思いをさせることは決して本意ではありません。当社のスローガン『ローラを選んで幸せになろう』は女性の皆さんの躍進に力を添えたいという思いで作りました」(ローラ社広報担当)

問題の2商品は9月にサンパウロで開催された国際化粧品見本市「ビューティフェア」でお披露目され、その後はブログなどを通じて広報を行っていた。商品の写真はSNSでシェアされ、女性たちから手痛い非難を浴びている。フェイスブックの商品ファンページにも非難は殺到している。

「この会社はあの薬剤でレイプ被害にあった女性が何百万人もいるということに考えが及ばなかった。この名前を聞いて私たち女性がレイプを連想するということにも。軽率すぎる」(消費者コメント)

この2商品に対する非難は他の商品の名前にも飛び火した。「オージ・エウ・トー・バンヂーダ(今日の私は盗賊)」「モルチ・スービタ(瞬殺)」についても疑問符が付けられている。

ローラ社の広報はカタログに記載されている他の商品60点以上についてもネーミングが適切かどうか検討をすると明言した。

(文/余田庸子、写真/Reprodução/Twitter)
ローラ社の製品「私をいたぶって」を批判するSNSの投稿