ブラジルの遺伝子組換サトウキビ、世界初の商品化へ

2017年 06月 14日

サトウキビ 遺伝子組み換え

グローボ系アグリビジネス情報誌「グローボ・フラウ」電子版が6月9日づけで伝えたところによると、ブラジルで世界初となる遺伝子組み換えサトウキビの商品化が認可されたという。

ブラジルのサトウキビ生産技術センター(CTC)によって開発された遺伝子組み換えサトウキビ「カーナBt」(Btサトウキビ、の意)が遺伝子組み換え農産物の安全性を評価するブラジルの公的機関、国家バイオセキュリティ委員会(CTNBio)によって商品化を認められたという。

新種のサトウキビは害虫(サトウキビメイガ)に耐性をもつが、専門家によると、この害虫による被害は年50億レアル(約1750億円)にものぼるという。害虫に食われたサトウキビの品質は低下し、駆除にも費用が掛かる。

「Bt」は遺伝子の一種で大豆、トウモロコシ、綿花の遺伝子操作にも広く使われている。CTCの代表者、グスターヴォ・レイチ氏によると、今後CTCは他の害虫にも強い品種を開発する計画だという。

研究結果によると、遺伝子組み換えサトウキビで作った砂糖、エタノールは従来種を使って作ったものと比べて違いはみられないという。また、研究者によると、遺伝子Btおよびたんぱく質のいずれも製品になる過程で完全にその性質が消えてしまうため、遺伝子組み換えが最終製品に及ぼす影響はない、とのことだ。

環境に対する影響については、遺伝子Btが土壌の構成要素や、サトウキビの生分解性、サトウキビメイガ以外の昆虫の分布に及ぼすネガティブな影響は認められないという。

この新種サトウキビが商品化できることになり、CTCはこれから苗木の配布を開始し、生産者の協力を得て経過をモニターしていくことになる。

「新種の流通・周知プロセスは従来の改良種と同様です。最初の数年は栽培地を増やしながら栽培適合地に関する情報を得ます。いきなり砂糖やエタノールの製造には使いません」(CTC、グスターヴォ・レイチ氏)

(文/原田 侑、写真/Divulgação)