ブラデスコ銀行が2017年上半期決算を発表

2017年 07月 29日

ブラデスコ銀行

7月27日、ブラジルのブラデスコ銀行が2017年上半期決算の主な数字を発表。発表内容は、2016年7月1日以降のHSBC Bank Brasil S.A.とその子会社であるHSBC Brasilとの連結に重点が置かれている。

1.2017年上半期の調整後純利益は93億5200万レアル(2016年上半期の調整後純利益82億7400万レアルに比べ13.0%増)。これに伴い、1株当たり利益は2.99レアル、平均調整後株主資本利益率は18.2%となった。

2.調整後純利益の内訳は、金融事業が67億800万レアルで全体の71.7%を占めた。また保険、年金プラン、キャピタライゼーション・ボンド事業が合計26億4400万レアルで全体の28.3%だった。

3.2017年6月時点のブラデスコの時価総額は1696億1800万レアルで、2016年6月時点と比べ17.5%増加した。

4.2017年6月時点の資産総額は1兆2910億レアルで、2016年6月時点に比べ16.8%増加した。平均総資産利益率は1.4%だった。

5.2017年6月時点の拡大融資ポートフォリオは4935億6600万レアルで、2016年6月時点比10.3%増。このうち個人向けは1720億4500万レアル(2016年6月比15.5%増)、法人向けは3215億2100万レアル(2016年6月比7.7%増)。

6.運用資産は1兆9180億レアルで、2016年6月時点に比べ20.7%増加した。

7.株主資本は2017年6月時点で1068億700万レアルと、2016年6月時点に比べ10.8%拡大した。Prudential Conglomerateに基づくバーゼルIII比率は16.7%で、このうちティアI資本比率は12.5%だった。

8.2017年上半期に得た利益に対する株主への配当として合計28億1000万レアルを支払い、または計上した。このうち月割りまたは暫定分割分として支払われたのが17億2300万レアル、計上されたのが10億8700万レアルだった。

9.2017年上半期の金利収入部分は316億7800万レアルとなり、2016年上半期に比べ7.3%増加。

10.2017年6月末時点の90日間返済遅延比率は4.9%で、2017年3月時点に比べ0.7ポイント低下した。

11.2017年6月の営業測定効率(ER)は41.5%(2016年6月は37.4%)で、リスク調整後ERは53.7%(2016年6月は48.1%)だった。

12.2017年上半期の保険引受料と年金プラン積立金およびキャピタライゼーション・ボンド収入の合計は364億6000万レアルで、2016年同期に比べ12.4%増加した。テクニカルな計上は2336億4000万レアルで、2016年6月に比べ22.5%増。

13.2017年上半期のインフラ、情報技術、通信分野への投資は合計27億8600万レアル。

14.2017年上半期に支払いまたは計上した税金、社会保障を含む各種負担金は合計175億5400万レアル。このうち78億7500万レアルは源泉徴収税およびサードパーティー徴収分。また96億7900万レアルはブラデスコ・オーガニゼーションが展開した事業に基づき計算されたが、この額は調整後純利益の103.5%に相当している。

15.ブラデスコはブラジル国内に5068支店、3921カ所のCustomer Service Points(PAs)を有し、幅広い顧客サービス・ネットワークを持っている。このほかブラデスコの顧客は、994台の会社内(PAEs)ATM、3万8596カ所のブラデスコ・エスプレッソ顧客サービス・ポイント、3万6148台のブラデスコ ATM、2万875台のブラデスコ24時間ネットワークATMを利用できる。

16.2017年上半期の人件費、関連費、諸手当は総額85億6400万レアルだった。ブラデスコ・オーガニゼーションの全従業員10万5143人とその扶養家族に対して支給された福利厚生費は22億8000万レアル。また、教育、研修・訓練、人材開発プログラムの費用は7648万9000レアルに上った。

17.同期間中の主な受賞と認証は以下。

a)ブラデスコは6年連続で「Most Valuable Brazilian Brand(最も価値あるブラジルのブランド)」に選定され、総合ランキング(IstoE Dinheiro Magazineと提携するWPP Consulting、Kantar Vermeer)で2位にランク付けされた。

b)金融業界では首位に立ち「Valor Inovacao Brasil」年報(Valor Economico Newspaper / Network Pwc Consulting Firm)の第3版で、総合ランキングの5位にランクされた。

c)ブラデスコは「Estadao Financas Mais」年報の初版の「Best Retail Bank」ランキングで首位に、またブラデスコ保険グループも「年金プラン」と「健康」のカテゴリー(O Estado de S.Paulo newspaper, in partnership with Austin Rating)でランク入りした。

d)ブラデスコは「efinance 2017」賞の次のカテゴリーでいずれも最高位を得た。CIO of the Year、Back Office、Project Management、BYOD Security、Business Integration、IT Governance、Foreign Currency in ATMs、Credit App。またBradesco SegurosはInfrastructure Management、Contact CenterおよびHealth App(Editora Executivos Financeiros)の各カテゴリーでリスト入りした。

e)ブラデスコは「Top Management 2017」(ValorInveste Magazine, of the Valor Economico Newspaper)で首位に輝いた。

f)ブラデスコ保険グループは「Valor Financeiro – Seguros, Previdencia e Capitalizacao」年報(Valor Economico Newspaper)で今回も取り上げられた。

g)ブラデスコBBIはAwards for Excellence 2017 edition(Euromoney Magazine)で、3回連続で「Best Investment Bank in Brazil(ブラジル・ベスト投資銀行)」賞を受賞した。

h)ブラデスコ・カードは「XVIII Modern Consumer Award for Customer Service Excellence」で、アメックスカードと共に9回目の受賞(Consumidor Moderno Magazine, in partnership with Centro de Inteligencia Padrao and On You)。

i)BRAMは、AE Dados from Agência Estado調査によると、2017年第1四半期の「Top 10 Overall Broadcast Projections」ランキングで首位に。

またブラデスコは、ブラデスコ・オーガニゼーションがブラジルの社会経済的発展に全力を傾注していることも強調した。

ブラデスコ・オーガニゼーションは最善のコーポレート持続性の実践を組み込み、各地域の事情と可能性を考慮し、長期的に共通価値観の生成に貢献するとの観点から、事業指針と戦略を設定しているとしており、この位置付けを強化するため、ブラデスコ・オーガニゼーションはグローバルコンパクト(Global Compact)、エクエーター原則(Equator Principles)、二酸化炭素公表プロジェクト(Carbon Disclosure Project、CDP)、責任投資原則(Principles for Responsible Investment、PRI)、ブラジル温室効果ガス・プロトコールプログラム(GHG Protocol Program)、カンパニー・フォー・クライメート・チェンジ(Companies for Climate Change、EPC)など世界的に承認されたビジネスイニシアチブの順守を強調している。

取締役会が、持続性委員会(Sustainability Committee)を通じ持続性討議をモニターしているとも発表。ニューヨーク証券取引所の「新興市場」部門のダウジョーンズ持続性指数(DJSI)および、いずれもB3のコーポレート持続性指数(ISE)、炭素効率性指数(ICO2)などの主要な持続性指数によって、ビジネス管理における優秀性が認められているとしている。

加えて、60年前から広範な社会教育プログラムを実施しているブラデスコ基金は、現在、ブラジル全土で40の学校を運営しているという。

2017年には約6億2594万4000レアルの予算が以下のレベルの学校に入学した約10万4228人の生徒に役立てられる。基礎教育(幼稚園からハイスクールおよび上級中等技術職業教育に至るまで)、青年・成人教育、雇用と所得の創出に焦点を置いた初等および継続的職業訓練である。基礎教育システムに入った生徒たちは4万3000人超に上り、無料で良質の教育の保証に加え、制服、学用品、食事、医療・歯科治療支援も受ける。

同基金はまた、遠距離学習システム(EaD)に関しては、約63万人の生徒がeラーニングポータルの「Escola Virtual(バーチャルスクール)」を通じて恩恵を受けると見込んでいるとのこと。これらの生徒は時間表で提示されるさまざまな課程のうち少なくとも1課程を修了できるとのことで、このほかにも、別の1万5040人の生徒がこのプログラムと提携したプロジェクトや活動に参加しているという。

(文/麻生雅人、写真/Divulgação)