沖縄にブラジル家庭料理レストラン「LiLi」が誕生

2017年 09月 4日

ぃぃ 沖縄料理 レストラン

沖縄とブラジルは戦前からとても強い絆で結ばれている。初の公式移民船、笠戸丸でブラジルへ移住した日本人も、約4割の人が沖縄の出身だった。

沖縄県文化観光スポーツ部交流推進課が公表している2010年度推計値によると、「海外に在住する沖縄県系人」の人口が最も多いのがブラジルで、その数は約18万7000人。「海外の日系人社会に占める沖縄県系人数の割合」でも、1,868,736人中186,873人と、1割が沖縄県系人となっている。

しかし、「平成27年国勢調査 人口等基本集計結果の概要 沖縄県の人口と世帯数」(沖縄県企画部統計課)では、平成27年度の沖縄県在住のブラジル人は、2015年にはわずか197人しかいないことになっている。

ただし、<ブラジル帰り>の沖縄県民の中には日本国籍を持って「帰って」きている人もいるため、ブラジル生まれであっても、「ブラジル人」としては統計に反映されない場合もあるようだ。実際には今、ブラジルで生まれ、パステウを朝市で頬張りながら仕事に精をだし、フェイジョンを食べて育った人たちはどのくらい沖縄にいるのだろう。数千人か、あるいは「万」に届いているかもしれない。

フェイジョン Lili

しかも、海が身近にあり、気候も人懐っこさもブラジルの海岸線地域に似ている沖縄では、サトウキビや、アセロラやピタヤ、マラクジャ(パッションフルーツ)が栽培されるなど、ライフスタイルにおいてもブラジルと通じる点が少なくない。シュハスコ店だけでなく、「ブラジル食堂」(名護市)、「もろみや」(石垣島)など「ブラジル帰り」の人たちが思う存分ブラジル料理を食べられるレストランから、「Punga Ponga」(那覇市)のように軽食からブラジル雑貨までを扱う店もある。

そんな沖縄にこの7月、また新たにブラジル家庭料理がたべられるレストラン「LiLi」(浦添市)が誕生した。お店の名前は、ブラジル出身だというオーナー夫人の名前からとられている。

モコトー

店の看板料理は、「牛てびち」だという。てびちとは豚の足の部分(豚足~すね(アイスバイン)の部分)のこと。煮つけ料理や沖縄そばのなどにも使われる、沖縄料理ではおなじみの具材だ。「牛てびち」とは、いわばその牛版、牛の足部分。牛の足を使った料理といえば、ブラジルには典型的な家庭料理のひとつに「カウド・ジ・モコトー」がある。そう、「Lili」の牛てびちとは、モコトーのことなのだ。

モコトー以外にも、フェイジョン料理も牛や豚のアサードも出してくれるし、パステウ、フランゴ・ア・パッサリーニョ(ブラジル風骨付き唐揚げ)、ポレンタなどなど、ブラジル人にとって懐かしい一品料理が沢山メニューに並んでいる。カイピリーニャはヴェーリョ・バヘイロで飲めるし、薬木酒カトゥアーバなんかも泡盛と共に並んでいる。

実際に店を訪ねた人の声をきくと、ブラジル人のカジュアルさ、人間らしい接客で、旅行者でもすぐにその場に馴染ませてくれてとても居心地のいい店だという。沖縄を訪ねる際はぜひお立ち寄りを!

「Lili」沖縄県浦添市伊祖2−24−5 たけみつビル1階(TEL:098-876-5670)https://www.facebook.com/pg/%E3%83%96%E3%83%A9%E3%82%B8%E3%83%AB%E5%AE%B6%E5%BA%AD%E6%96%99%E7%90%86%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%B3LiLi-469361876760372/about/

(文/加藤元庸、写真提供/ブラジル家庭料理「Lili」)